CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

本読みと音読

2006-09-13 08:45:03 | 雑感
世の中で、ひきこもりが楽しめることといったら
はるか昔から、本読みとラジヲを聞くことだけだ

とか、心無い人が言うものでありますが
残念ながら、そのとおりだとしみじみ感じ入る生活です
さておき、本読みをもったり続けておりまして
クラウゼヴィッツの戦争論に手をつけてから
早一ヶ月、まだ一巻すら終わらないというダメっぷり
読んでる途中で寝てしまうとは
どういう了見だね君
自分で自分に、先生口調で話しかけてしまう
本読み、ラジヲに加えて、独り言まで装備した
完全な一人上手状態であります

ともあれ、この全然進まない一本は
たぶん、私が今後生きていくうえで
必ず役に立つはずだと、半ばムキになって読んでんですが
電車の中で数ページ進めて、気づいたら寝ていたり
家に帰って、その部分を復習するように読み直してまた寝たり
さっぱり進まない、そして進まない間に
前の分を忘れて、話がさっぱりつながらない、なんだ
この人は何を言っているんだ
ロシア人の考えることはわからん、などと
作者批判に至ってしまうのでありました

これではいかんと、ふと、声に出して読んでみることにしたのであります
いわゆる音読、叫ぶ詩人の会、詩吟(だいぶ違う)
ともあれ、声に出して読んでいると、しっかりと
脳みそに一度入ってから、外へと出ていくので
思ったよりもスムースに理解というか、少なくとも
文が頭にはいるのでありました
そして、読んでいて、発音の区切りとかを意識すると
さらに文章は、文節にわけられて、よりいっそう理解を助ける
おお、すげぇっ、だから小学校の先生は
わざわざ本を読ませたのかっ、改めてしゃべるということの
すばらしさに言及できたこのころ
おそらく、柳沢教授であったら、はたっ、と気づいて
最高の笑顔を見せる瞬間であろう
そんなわからんことを考えながら、それでも進みが遅い
なんせ音読は電車の中では無理だ
戦争論を音読しているサラリーマンが車内にいたら通報される
というか、俺でも嫌だ、そんな奴

思いつつ、ちまちま進めているこのごろなのであります
相変わらず、さっぱり中身理解できておりませんので
簡易レビウすら書けないのでありますが
夜な夜な、独身男性の部屋から詠唱される戦争論
おそらく、かつての軍人宿舎ではよく見られた光景でありましょう(ねぇよ)

さて、音読の効果として本の理解もあったのですが
もっとすばらしいことに気づいたのであります
ひきこもり=他人との会話がない
というのは、もはや、常識というか自然現象にも勝るほど
当たり前の状態なのでありますが
そうやって、使わない部分はみるみる退化していく
人間は使わない器官はすぐに衰えてしまうのです
しかし、音読をすることで、発声するという
すばらしい技能を思い出すことができたのだ
おお、俺の声が蘇っていく
これも、リアルというか気持ち悪い話でありますが
しばらく、他人との会話が無い状態が続いていたというか
実際、無いのでありますが
声が、だんだんくぐもってくるし、カツゼツは悪く
何せ声が出なくなってくる、しゃがれたというと聞こえがいいが
萎れた声なのだ、なんだそれ、ちゃんと喋れ
そう思われることで、ますます発声ができなくなる
他人と会話をするのが命がけという
ひきこもりには大変な難儀
しかし、それをやすやすと打ち破ることができる音読おそるべし

最初は本当に、もう
琵琶法師かくやというような声で
おどろおどろと読んでいましたが
今では、はっきりと、闘争についての論述とかを
嬉々として読み解ける次第
すばらしい、みんな音読をせよ、他人と喋るときのためにも
で、音読しているとさらに気づくのでありますが
本に書いてある文章というのは、やはり
どうやっても話し言葉とは剥離、いや、乖離してしまっている
まるで違うのでありました
こんな言葉遣いしねぇよとか、本じゃねぇと
発音されてもわかんねぇよといった、難しい単語が頻出
やはり会話には、単純化が必要だし
漢字に頼るような、単語の羅列では会話はなりたたない
あくまで、ひらがなですらすらとわかる部分でないといけないのだ

そんな興味深いのかそうでもないのかということまで
たかだか、本読みに見出したのでありました
まぁ、そう言いながら、現在はちょっと本休みというか
別の本読み出してしまったのでありますが
音読は、速読できないが理解を助け
また、眠気もこなくなるのでステキと思うのでありました

ただ、小説でも少しやってみたんだが
小説の場合、ナレーションが自分の声というだけで
全然雰囲気でなくなるので気をつけよう
それはよくない方法だ、あれはやはり
頭の中で、色々と考えながら、創造、空想しながらするのが
よいのでありましょうと

思ったりしつつ、今夜もおそらく
独身男性の部屋から
闘争と戦争の本質、また、戦術と戦略の違いについてが
英々と語られるのであります、朗々