映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「母の身終い」

2014年01月08日 | 日記

  

     フランス映画「愛されるために、ここにいる」のステファヌ・ブリゼ監督の新作
     は、愛する肉親の決断に心が揺れる荘厳な人間ドラマです。

     48歳のトラック運転手アラン(ヴァンサン・ランドン)は、出来心で麻薬密輸の
     片棒をかつき゜逮捕され、服役していたが出所、昔から犬猿の仲である母親
     イベット(エレーヌ・ヴァンサン)が暮らす実家で再出発を図ります。でも望むよ
     うな仕事が見つからず、几帳面な母と衝突してばかりいます。

     実家の隣人で母に控え目な好意を寄せる老人とアランは、気晴らしにボウリ
     ングに出かけ、そこで知り合った女性(エマニュエル・セニエ)と一夜を共に・・・。
     そんなある日、アランは母の引き出しから、母が重度の脳腫瘍に冒されており、
     意識が混濁する前に、フランスでは禁じられているが、スイスの施設では実行
     出来る尊厳死を実行しようとしていることを知ります・・・。

     最後まで息をひそめて見入りましたし、私としては珍しく涙が止まらなかった作
     品です。
     日本では考えられない境遇と結末を、この監督はどこまで冷静なのだろうと思
     いながら見ていたのですが、尊厳死の場面でさえ淡々と描いて行く姿勢を私は
     大いに評価します。
     更に撮影も音楽もが見事に調和しているこの作品は、もしわが身に降りかかっ
     てきたらどうするだろうの課題を課されたものでもあり、特にお薦めの一本です。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画 「鑑定士と顔のない依頼... | トップ | 「トルコの旅 ⑦」 真っ白な石... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
予告編で (bunn)
2014-01-08 22:10:50
けんさん

予告編で何度も劇場で観ていて、絶対見逃すまいと、、良かったです。
見逃していました。探して見に行きます。
返信する
身の引き締まる思いがする映画です。 (中島けん)
2014-01-09 15:53:34
bunnさん
  日本では許されていない尊厳死ですが、人間の終を深く考えさせられる佳作です。
  追っかけてもても損はしません・・・。

返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事