映画 「009ノ1 ゼロゼロクノイチ THE END OF THE BEGINNING」 (R15＋)

　　　

　　　　　石ノ森章太郎が1967年から４年間「漫画アクション」に連載、69年には青年
　　　　　向けSFアクションコミックとしてドラマ化されたこともある「009ノ1（ゼロゼロク
　　　　　ノイチ）ですが、今回は石ノ森章太郎生誕75周年を記念して実写映画化され
　　　　　たものです。

　　　　　物語の舞台は、世界がウェスタンブロックとイースタンブロックに分断された
　　　　　20XX年。全身をサイボーグ化したウェスタンブロックの女性エージェント・ミレ
　　　　　ーヌは、司令部からイースタンブロックに拉致されたクライン博士を奪還せよ
　　　　　との命令を受けます。

　　　　　しかし自分の失われた記憶の謎を知るクライン博士の名を聞いて戸惑うミレ
　　　　　ーヌは、任務に就いたものの博士の奪還に失敗し、エージェントとしてのライ
　　　　　センスを剥奪されてしまうのでした。
　　　　　失われた記憶を取り戻すため、独自に行動を開始するミレーヌでしたが・・・。

　　　　　「ミスマガジン」出身でグラビアアイドルや女優として活躍する岩佐真悠子が
　　　　　主演し、セクシーシーンやアクションにも挑戦。監督は、平成ライダーシリー
　　　　　ズやスーパー戦隊シリーズでもメガホンをとる坂本浩一です。

　　　　　一本の作品としてそれなりに纏めてはあるのですが、この手の多くの洋画・
　　　　　邦画から引っ張り出してきたような話がほとんどで、新鮮味が薄いのが残念
　　　　　です。
　　　　　前日に壇蜜の「甘い鞭」を見ていたせいもありますが、同じ異色作品でも監
　　　　　督の力量、脚本の優劣、それとなんと言っても主演女優の点数の差が大き
　　　　　く左右しています。

　　　　　こちらはグラビアアイドルとして活躍している岩佐真由悠子は熱演ですが、あ
　　　　　の壇蜜と比べると歴然の差を感じます。
　　　　　またこの作品にも「甘い鞭」にも変な役で竹中直人が出演していますが、彼ぐ
　　　　　らいの俳優が、どうして出演作品を選ばないのか不思議だし、彼が画面に出
　　　　　てくると失笑です。
　　　　　異色作品も大いに結構ですが、どうせ作るのならもっと大人が見ても耐えられ
　　　　　る作品を撮ってほしいもの・・・です。