今回は話題の韓国映画2本を取り上げました。
韓国と文字を書きますと私は”怨(うらみ)”という字が直ぐに出てきます。
この2本の作品とも、根底にあるのは”怨”です。明るく楽しい作品ではあ
りませんが、韓国特有の物語というか表現というかそれが味わえるし、加
えて韓国映画界のパワー・情熱が感じられる2本です。
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「嘆きのピエタ」は、韓国のキム・ギドク監督が、昨年の第69回ベネチア国
際映画祭で金獅子賞を受賞したサスペンスドラマです。
債務者に一生障害が残るような重傷を負わせ、その保険金で借金を返済
させる非情な取立て屋イ・ガンド(イ・ジョンジン)が主人公です。
天涯孤独に生きてきた彼の前にある日、ガンドを捨てた母だと名乗る謎の
女、チャン・ミソン(チョ・ミンス)が突然現れます。
生まれて初めて肉親の愛を感じたガン度は次第にミソンを母親として受け
入れるようになって行くのでした。
やがてガンドが取立て屋から足を洗おうとした矢先、ミソンは突然姿を消し
ます・・・。
勿論この物語がこのまま終わる訳ではなく、ここから二転三転する展開が
痛烈なのです。
下町や町工場の雰囲気描写も優れているし、そこで起こる事件の描写の
凄さは、さすがキム・ギドク監督だと感心します。
先にも述べましたが、韓国映画人の製作に対する情熱・パワー・しつこさ
を日本の映画人も学んで欲しいと思う作品でした。
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「殺人の告白」は、TVドラマで人気が出たパク・シフが殺人犯を演じた映画
初主演作品です。
15年前に起こった連続女性殺人事件の犯人は私だと名乗り出たイ・ドゥソク
(パク・シフ)は、時効が成立しているために無罪となった上、自分の犯した殺
人についての本を出版します。
その衝撃的な内容と彼のルックスが相まって、ドゥソクは一躍時の人となる
のでした。
しかし、この事件を追い続けていた刑事チェ・ヒョング(チョン・ジェヨン)は、こ
の本に最後の未解決失踪事件の真相が書かれていないとして追求します
が、そんな中、自分こそが真犯人だと主張する人物が現れます…。
監督は新鋭チョン・ビョンギルですが、「殺人の追憶」の題材にもなった華城
連続殺人事件からヒントを得て映画化したのだそうです。
カー・アクションが少し長過ぎることと、伏線の張り方がもう少し巧妙だった
ら、どんでん返しがもっと効いたと思います。
「嘆きのピエタ」と違い、凄惨さはありませんが、娯楽要素を上手く取り入れ
ていて、将来が楽しみな演出ぶりです。
更にいいのは刑事役のチョン・ジェヨンで、実にいい味を出しています。
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