前にイギリスの湖水地方を旅したときに、そこでしか買えない「ジンジャーブレッ
ド・ショップ」があるグラスミア村のことを書きましたが、今回はスペインののどか
な雰囲気がとても魅力的なチンチョンという田舎町をご紹介したいと思います。
チンチョン町はスペインの首都マドリッドからバスも出ていますが、車で50分足ら
ずのところにあって、途中で広大な麦畑やオリーブ畑に取り囲まれたゆるやかな
山道を経て着きます。そしてここではありきたりの観光地とは趣が異なり、町歩
きを楽しみお手軽にスペインの田舎町の魅力を日帰りでじっくり味わえるのです。
チンチョンは町全体にのんびりした雰囲気が漂っていますが、町歩きの基本は
木造三階建てのバルコニーが印象的なマヨール広場がメインで、夏期には周囲
に観覧席が組まれて闘牛場に変わるのだそうです。私が行ったのは11月で、残
念ながらその光景は見ることが出来ませんでした。
この広場にあるお店で、「カフェ・デ・ラ・イベリア」の名物は、チンチョン特産のニ
ンニクを丸ごと使ったスープ「ソバ・デ・アホ」で、ニンニクの香りがするホクホクの
食感を楽しめますし、この町にしかない名物アニス酒を少しばかり味わいました
が、香辛料にもナルウイキョウの実で香りをつけた蒸留酒です。かなり度数が高
いので、水で割ると白濁し独特の香りがします。注文で辛口・甘口で出してくれま
すが、私は勿論甘口でいただきました。
そのほかの見どころは、町はずれにあるチンチョン城で、16世紀に建てられた城
ですが19世紀のスペイン内戦で破壊され、その後はチンチョン名物のアニス酒の
工場として利用されていたそうです。今はもう廃墟寸前の状態となり内部の見学
は出来ません。
また丘の上に建つ小さな教会は「聖母被昇天教会」です。これも16世紀に建てら
れたもので、塔の無い切り石造りのゴシック、プラテレスコなど多様な建築様式
が特徴です。中央祭壇にはゴヤ作と伝えられる絵画「聖母被昇天」があります。
ということでチンチョン村は、旅行者には勿論ですが、スペインの皆さんにも有名
な日帰り行楽地でした。
↑ 闘牛の時はこのようになります
↑ チンチョン城 ↑ 聖母被昇天教会
↑ 聖母被昇天教会の内部 ↑ ゴヤ作と伝えられる「聖母被昇天」
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