レヴィ・ヘンリクセンの原作を、ノルウェーの名匠「卵の番人」や「キッチン・
ストーリー」のベント・ハーメルが製作・脚本・監督した作品です。
内容は、クリスマス・イヴを迎えたノルウェーの小さな町で、大切な人との
時間を求めて一生懸命に生きようとする複数のエピソードを綴った群像劇です。
クリスマス・イヴに妻から家を追い出された夫は、妻と愛人が楽しむ家に忍び
込み、サンタクロースの扮装で愛する子供たちに会います・・・。
イスラム教徒だからクリスマスは祝わないという少年と少女は天体望遠鏡で
星を眺めます・・・。
不倫相手から結婚を断られ、ある復讐を断行する女・・・。
昔愛し合った男女が偶然に再会し、温かい食事をする・・・。
祖国に帰れば逮捕が待ち受けている難民夫妻の緊急出産に立ち会う医師・・・。
一寸した弾みで人生のボタンをかけ違えたこれらの人々が、愛する人に「メリ
ー・クリスマス」を言うためにどうすればいいのか、真剣に考え行動しようとす
る模様をおっとりしたタッチの演出で描いて行きます。
劇的なメリハリも無く、見ようによっては散漫とも言えるのですが、よく考える
と物語は地味だし、出てくる人物は全員が不器用ながら善き人ばかりで、妙
に納得してしまう作品でもあります。
ルルウェー映画らしく、ラストは美しいオーロラの場面で終わるのですが、全編
を通して優れた映像が楽しめます。
ただ題名が題名ですから、映画館では年末でないと上映が難しい考える作品
でしょう・・・。
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