↑「暁の翼」宮崎県新田原航空自衛隊基地のロケで。左は西日本新聞記者
↑ロケで記者会見、左端は私 ↑「暁の翼」ロケでの私
↑「暁の翼」一場面
大映の最盛期には長谷川一夫先生を中心に、現代劇では菅原謙二、根上淳、船
越英二、北原義郎、川作敬三、高松英郎・・・らの皆さんが活躍しましたが、それで
も手薄だったし、特に大映お得意の柔道ものについては、菅原謙二の後継者も作
らなければいけないという時に出てきたのが石井竜一です。
彼についての詳しい資料が無く、出身地や生年月日につてのノートもどこにしまっ
たのか判らずじまいで誠に申し訳ありません。
石井竜一が大映で仕事をしたのは昭和32年(1957)～昭和39年(1964)で、出演本数
は54本に及びます。菅原に次ぐ柔道ものスターとして出演をし始め、真面目な性格
とか硬派のインテリといった人物役が大半でした。
演技はいま一つだったのですが、それでも「白いジープのパトロール」「盗まれた縁
談」「軍国酒場」「夜霧の滑走路」「恋を掏った女」と、主演作品が５本あります。
私は撮影所で会うほか、「暁の翼」(富本壮吉監督1960)宮崎県新田原航空自衛隊
基地のロケで一緒したことがありましたが、航空自衛官の役は彼にピッタリだった
と思います。どんな役柄でもこなせるというタイプではなく、柔道もの、軍服もの、
警官などのように制服ものが似合うと言われていた彼ですが、人柄はいいし仕事
熱心で、皆さんに好意を持たれていたのに、中々人気が出なかったのを覚えてい
ます。
彼のすぐ後に出てきた本郷功次郎に残念ながら追い抜かれ、これといった作品に
恵まれず、それでも彼なりに頑張って昭和39年まで在社したのですが、大映を退
社し他社に３本出演した後の消息は消えました。
亡くなった本郷ちゃんが生きていれば今年77歳で、それより三つ年上の筈ですか
ら今年で80歳。元気でいてくれると嬉しいのですが・・・。
「暁の翼」は、今はない東京の大井武蔵野館の飛行機映画特集で見ました。菅原謙二さん主演でしたよね？石井さんもきりっとした役でしたね。一番下の写真は「敵中横断三百里」でしょうか。「建川挺身斥候隊」というせりふがかっこよかったです。
昭和30年代は、松竹以外の邦画各社が自衛隊を舞台とした作品を撮っていましたね。大映・東宝・東映は航空自衛隊のジェット機ものでしたが、新東宝は予算の関係か陸上自衛隊ものの「激闘の地平線」だったのがなんとなく笑えます。
今日は「ワイルドスピード・スカイミッション」を見てきました。相変わらず荒唐無稽でストーリーはハチャメチャだけど、スカッとしたい時にはこういう映画もいいですね。私としては大好きなカート・ラッセルを久しぶりに見れたので嬉しかったです。
「暁の翼」は菅原謙二や高松英郎などが共演しています。
監督は富本壮吉で、これから数年後に「妻の日の愛のかたみに」で、
九州ロケのお手伝いしました。
そう言われてみると各社とも自衛隊ものが多いですね。
大映が存続していたら、彼もそうですが、当時の俳優たちはどうなっているだろう・・・と、
時々思います。
「ワイルドスピード・スカイミッション」は私も見ましたが、理屈抜きに面白いですね。
特に悪の相手がジエイソン・ステイサムですから余計に面白さが増しました。
「妻の日の愛の形見に」は若尾さん主演でしたよね？兄（？）役の夏木さんの、「返された娘ですから」というせりふがなぜか頭に残っています。富本監督は、私の世代ですと「ザ・ガードマン」や「赤シリーズ」で、まずテレビで知りました。映画だと田宮さんの「黒シリーズ」も監督されていたと思います。「赤黒シリーズ」の監督というのも面白い符合ですね。
「妻の日の愛のかたみに」は若尾ちゃんの初演作品です。この映画は
最初から最後まで私とかかわりがあり、思い出深い作品です。
2011年の11月18日、25日にわたりこのブログに書いていますので、良かったら
ご覧ください。
富本監督は学究肌の監督ですが、とても優しい人でもありました。