原作は、福岡県出身で現在も久留米市に在住する葉室麟で、第146回直木賞を
受賞した小説の映画化です。
ひょんな事から藩士の檀野庄三郎(岡田准一)は城内での刃傷沙汰になり、厳罰
を免れた代わりに、郡奉行の戸田秋谷(役所広司)のお目付け役を命じられます。
前代未聞の事件を起こしたとされる戸田秋谷は、10年後の夏に切腹すること、そ
してその日までに藩の歴史である「家譜・蜩ノ記」を完成させることを命じられて
いるのです。
幽閉されたまま家譜の編纂を続け、切腹の日まであと3年となった時に、檀野庄
三郎が秋谷の監視役としてやってきます。
庄三郎は家老から秋谷が7年前の事件を、家譜にどのように記しているかを確
認して報告し、また、逃亡するようであれば、家族もろとも斬り捨てよとの密命を
帯びていました。
庄三郎は秋谷のそばで過ごし、その人柄や妻(原田美枝子)と娘(堀北真希)と息
子(吉田晴登)ら一家とともに暮らすようになるうちに、秋谷が事件を起こしたこと
が信じられなくなり、7年前の事件の真相を探り始めます・・・。
小泉堯史監督は、黒沢明監督の助監督を長く勤めていたこともあり、今作には
黒沢組ゆかりのスタッフが多いこと、配役と俳優の使い方の上手さに感心する
と同時に、本格的に時代劇を撮ったという感じもいいし、しかもデジタル撮影の
昨今に、敢えてフイルムで撮影していますが、これらが成功して全体的に凛と
した雰囲気に包まれた仕上がりです。
更に良かったのは、この前の「柘榴坂の仇討」然りですが、二人の主人公の
衿持ある言動に再び私は感激で、絶対お薦めの一本です。
余談ですが、原作者の葉室麟さんが福岡の出身だと最初に書きましたが、私
が大映時代に交流があった「フクニチ新聞」文化部で、ラテ担当(ラジオ・テレビ
の略)を担当されていて、直接存じ上げませんが何故か親しみが湧きます。
鹿児島12日飛行機が飛ばないので、福岡経由で、あーあーけんさんここに居られるのだなぁぁと、新幹線で鹿児島まで行こうとしたら、事故で新幹線も駄目。仕方なく臨時の特急で、でも熊本で新幹線再開、熊本駅に降り立って、あーあー三島さんがこの駅に、、感無量。
事故も私にとっては幸運ではありました。
この映画のけんさんの映画評がまちどおしかったです。
柘榴坂の仇討を観にいって時間の関係で、こちらを見てきたのでした。
鹿児島行は大変でしたね・・・。
「蜩ノ記」も「柘榴坂の仇討」もともに、骨のある作品で楽しく見ました。
「柘榴坂の仇討」も是非ご覧くださいね。