「ひつじ村の兄弟」
アイスランド辺境のとある村を舞台に、隣同士に住んでいるが、40年間も会話がない
という不仲の老兄弟と羊の絆と愛を、ヒューマニズムとユーモアを交えた独特の切り
口で描いた人間ドラマです。
新鋭グリームル・ハゥコーナルソン監督の長編2作目で、2015年の第68回カンヌ国際
映画祭ある視点部門でグランプリを受賞し話題となっていた作品です。
恋愛話はないしアクションもない暗い話の連続ですが、不思議に最後まで映画を楽し
むことが出来ます。最初はどちらが兄でどちらが弟か判り辛いのですが、馴れてくると
益々面白くなります。先述のように暗い話というか深刻なシーンでも、見ている側はく
すっと笑えるのは演出の心憎さでしょう。ラストが知り切れトンボのきらいがありますが、
これは我々で想像しましょう。カメラが実に素晴らしいし、お薦めの一本です。
「ピンクとグレー」
ジャニーズの人気グループ「NEWS」の加藤シゲアキが2012年に発表した処女小説を、
行定勲監督が映画化したもので、脚本を担当する若手劇作家・蓬莱竜太と行定監督
が原作を大胆にアレンジして再構成し、小説では明かされなかったエピソードも描いて
います。
テレビドラマ「半沢直樹」などで俳優としても注目を浴びる「Hey! Say! JUMP」の中島裕
翔が映画初出演にして主演を務め、菅田将暉、夏帆、柳楽優弥といった若手が脇を固
めています。
映画が始まって62分で「え?」となるところがミソで、これを書かないと感想は書けない
のですが、今からでも見る方のために伏せます。とにかく前半と後半が大きく分かれる
作品で、私流に辛口で書けば最初は面白くなりそうだと期待しましたが、先の?の趣向
は監督の一人よがりというか自己満足に終わっているし、俳優は下手だし私は買いま
せん。最近見た映画で一番つまらないと烙印を押したいくらいです。
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