不覚なことに、私はこの映画を見るまで北九州市でのお話であり、大掛かり
な北九州ロケが実施された作品であることを知りませんでした。
そんな関係で全国公開は8月11日ですが、福岡市・北九州市で7月7日か
ら先行公開されています。
主婦として子育てを終え、地元テレビのキャスターから長年の夢だった大学
教授への道を歩み始めようとしていた百合子(秋吉久美子)でしたが、その矢
先に父の修次郎(橋爪功)が認知症を患っていることが判ります。
その症状が段々と進み、ところ構わず女性に迫ったり、お店の品物を黙って
持ち帰える事件などを起こすようになり、不安や介護に追われて家族はバラ
バラになって行くのでした。
そんなとき百合子は、認知症の"家族会"があることを知ります。
この会でアルゼンチンタンゴを習い始めた修次郎に変化が訪れ、そんな父の
姿を見た百合子も再び夢に向って進もうと決心するのでした・・・。
監督は長らく老年医療に取り組んできた精神科医でもあり、デビュー作「受
験のシンデレラ」(2007)がモナコ国際映画祭で作品賞を受賞したこともある
和田秀樹です。
何か見覚えがある風景だと思ったら北九州市の若戸大橋で、このあたりに
住んでいる家族という設定でした。
久し振り秋吉久美子の熱演ぶりが見られますし、橋爪功も好演です。認知
症家族の会に出てくる松原智恵子はまだしもですが、往年の青春スター某
が出ていて老醜をさらけ出すのは見てて少し気の毒でした。
認知症の父と、その介護に苦悩する娘や家族の姿を通して、これからの介
護のあり方と希望を描く・・・、それはとても有意義なのですが、物語の設定
が新鮮さに欠け、手薄なのが残念です。
(7/11 T・ジョイ博多 5日目 11:20の回 17人)
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