映画 「サンシャイン / 歌声が響く街」

　　　

　　　　　この作品は、2007年の初演で大ヒットしたイギリスのミュージカルを映画化し
　　　　　たものです。スコットランドの人気バンド「プロクレイマーズ」が1988年に発表
　　　　　したアルバム「Sunshine on Leith」のヒット曲にのせて展開する人生讃歌で
　　　　　もあります。

　　　　　スコットランドの田舎町リースで暮らすロブとジーンの夫婦は、もうすぐ結婚
　　　　　25周年を迎えようとしています。
　　　　　そこに息子のデイヴィーと、娘リズの恋人アリーがアフガニスタンでの兵役
　　　　　を終えて帰還、一家はお祝いムードに包まれるのでした。

　　　　　リズは兄に看護師仲間のイヴォンヌを紹介、二人の間には恋が育まれて行
　　　　　きます。
　　　　　ところがロブとジーン夫妻の結婚25周年のパーティで、ロブに24歳になる隠
　　　　　し子がいることが発覚して夫婦の危機が勃発。リズはアリーからプロポーズ
　　　　　されますが、遠く離れたフロリダで働くという夢のため断り、恋人との新生活
　　　　　を始めたデイヴィーも、甘いだけではない厳しい現実を目の当たりにし、それ
　　　　　ぞれ傷ついた家族はバラバラになりかけますが・・・。

　　　　　とても真面目に撮っていますし、少し古いけど楽曲もいいので、あまり辛口を
　　　　　叩きたくないのですが、やはり根本的なことなので正直に述べます。
　　　　　音楽とストーリーと映像が上手くミックスしていて初めてミュージカルは成立
　　　　　するのですが、残念ながら唐突な展開とミスマッチが目立ちます。従って楽し
　　　　　さがいま一つ吹き上がらないです。
　　　　　監督は本作が二本目のデクスター・フレッチャーで、エジンバラの風景は素
　　　　　敵でしたが、肝心な点を見損なっています。