「ザ・ビーチ・ボーイズ」の中心メンバーとして数々の名曲を生み出す一方で、
音楽制作の過程で精神的に極限まで追い詰められるといった逸話でも知ら
れるブライアン・ウィルソン。ポール・マッカートニーがライバルと認めたという
彼の栄光と苦悩の半生を、ブライアン本人公認のもとに映画化した作品です。
1960年代「サーフィン・U.S.A.」をはじめとするヒット曲により人気の頂点にいた
ザ・ビーチ・ボーイズ。当時のリーダーでその作曲の大半を手がけていたブラ
イアンは、新作へのプレッシャーからアルコールとドラッグに依存してしまうの
です。
それから20数年後、低迷の中にあったブライアンに再び希望の光をもたらした
のは、美しく聡明な女性メリンダとの出会いでした。彼の主治医である精神科
医のユージン(ポール・ジアマッティ)の過剰な干渉と治療方針に、メリンダは疑
惑を強めます・・・。
監督は、アカデミー賞を受賞した「それでも夜は明ける」のプロデューサーで、
本作が初監督となるビル・ポーラッドです。二つの時代のブライアンが2人1役
で演じられ、60年代はポール・ダノ、80年代はジョン・キューザックがそれぞれ
演じています。
二人の俳優が一人の役柄を演じ、二つの時代を並行して物語は展開して行き
ます。二人の俳優はあまり似てはいないのですが、ともすればこの難しい展開
方法がとても判りやすくなっていて、結果は成功だったと思います。
初監督にしては重厚な演出で音の使い方も中々うまいし、時代的な背景もよく
描かれていて面白く、私の好きな一本に加えます。ラストもほのぼのとして心地
よしです。
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