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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (113) 木暮実千代さん

2016年05月16日 | 日記

        

  

 

   

 

    木暮実千代さんは戦前から~戦後にかけて、トップ女優のポジションを守り続けた一人

    だと思います。お父さんが税関に勤務していたため山口県下関市で大正7年(1918)に生

    まれた彼女は、梅光女学院から日大芸術学部に進みますが、在学中に同じ下関出身の

    田中絹代に見出され、昭和13年(1938)に松竹に入社しました。

    当時は既に高峰三枝子・桑野通子・水戸光子らが活躍していたのですが、木暮実千代は

    日本人離れしたスタイルとルックスですぐに人気女優の仲間入りをします。当時の松竹の

    主流は純情可憐型だったために恋敵役が多かったのですが、それでもその後の彼女の

    進路に個性派として確固たるポジションを築きます。

    昭和19年に(1944)に結婚、夫の仕事の関係で満州に。終戦時には大変な苦労で帰国、

    昭和22年(1947)に松竹に復帰しますが、他社出演の道が開かれて大活躍開始です。

    相変わらず妖艶な悪女役が多かったのですが、それに軽妙な演技が加わり、大映にも

    出演することになります。丁度その頃にテレビが盛んになり、ジュジュ化粧品のマダム・

    ジュジュ、三洋電機のサンヨー夫人として長い間親しまれましたが、彼女こそがCMに出

    た女優第一号です。

    彼女の生涯の映画出演は戦前・戦後を併せて約350本と言われますが、大映では初出

    演の「自由学校」にはじまり、「源氏物語」「千羽鶴」「祇園囃子」「新・平家物語」「花の渡

    り鳥」「祇園の姉妹」「赤線地帯」「銭形平次捕物控シリーズ」「忠臣蔵」「桃太郎侍」「かげ

    ろう絵図」など、20本近い作品に出て貢献してくれました。後年は映画だけではなく、テレ

    ビや舞台でも活躍しましたが、ボランティア活動にも熱心に参加し、法務大臣認定の保護

    司を引き受けたり、自宅に中国留学生を寄宿させたりしていて、映画でのイメージとは異

    なり、実生活では良妻賢母としても知られています。

    平成2年に心不全のため72歳でなくなりましたが、彼女の生誕地下関では、これまで同市

    出身の田中絹代だけが大きく喧伝されていましたが、最近では木暮実千代の顕彰が叫ば

    れるようになっているそうです。

  

     

    

    

        

 

         

 

 

 

 

 

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6 コメント

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中島様 (タム親父)
2016-05-16 14:06:41
こんにちは。
小暮さんは各社の作品でお見かけしますね。あごのほくろがコケットリーな方でした。大映以外の作品ですと、東宝の「青い山脈」や東映の「宮本武蔵」が代表作でしょうか。ちょうど先週、雷蔵さんの「かげろう絵図」を見ました。大御所の愛妾という悪女的な役柄でした。この作品は大奥が出てきて、そのセットのすばらしさに驚きました。特に襖が見事でした。当時は、出入りの表具屋さんでもいたのでしょうか。また、お富士さんが2役で出演されていました。「雪之丞変化」を見た時も思いましたが、伝法なお富士さんというのも魅力的です。
こんばんわ。 (中島けん)
2016-05-16 21:01:50
タム親父さん

各社それぞれに素晴らしい作品を残した木暮実千代さんです。
今回は思い切ってスチールを増やしました。スチールに出ている女優さんの
名前を当てるゲームなど、お近くの方々とのコミニュケーション・グッツにも使える
と思いますよ。

中島様 (タム親父)
2016-05-17 05:50:50
返信ありがとうございます。
上の方のスチールの、下から2番目は「自由学校」でしょうか。前にも書きましたが、原作のイメージからすると主人公の五百介は大映版に軍配が上がると思います。思い出しましたが、以前NHKで「新自由学校」というドラマがあって、中条静夫さんが五百介に当たる役で主演でした。
長谷川御大の銭形平次のスチールで真ん中に移っているのは美空ひばりさんですか?
おはようございます。 (中島けん)
2016-05-17 10:13:52
タム親父さん

松竹と競作になった「自由学校」です。作品もそうですが宣伝合戦も派手でした。
松竹は大松竹うんぬんを惹句に使っていました。
長谷川先生の作品は「銭形平次捕物控・まだら蛇」で、真ん中は美空ひばりさんです。

『新・平家物語』が好きです (さすらい日乗)
2016-05-18 08:16:06
『新・平家物語』は、溝口健二の作品としては評価が低いのですが、祇園祭や比叡山から僧兵が降りてくる場面など、大モブシーンなど非常に見どころがあります。

そして、大矢市次郎の妻で、法皇からのお下がりだった木暮美千代の妻は、非常に良かったと記憶しています。

最後、市川雷蔵の清盛が、貴族と一緒に戯れている母を見て、「これで良いのだ」というのは、戦前、戦中、戦後の日本の女性への溝口健二の眼差しを感じますね。
こんばんわ。 (中島けん)
2016-05-18 20:46:53
さすらい日乗さん

私も去年、デジタル・プリントされた「新・平家物語」を見る機会がありました。
この作品の全国宣伝キャラバンに私も参加しているので、思い出深い作品です。
木暮さんは出番こそ多くなかったと思いますが、強い印象を残しています。

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