元ば若者の愛と死を主題とした舞台劇"Of Winter and Water Birds"をベース
にして、映画向きにアレンジしたものだそうです。
それは映画を見終わって成程と思いましたが、上手く映画化されていると思
います。
今年の夏頃でしたが、若い人たちに近々公開の作品で何を見たいかを尋ねた
ところ、一番多かったのがこの作品でしたので、そんな興味もあって映画館に
足を運びました。
交通事故で両親を失い、自分も臨死体験をした少年イーノック(ヘンリー・ホッ
パー)は、見知らぬ他人の葬式に参列し、まるで遺族のようなふりをして覗くと
いう変わった趣味の少年。高校を中退し、友人は彼にだけ見える第二次世界
大戦で戦死した日本の特攻隊員の幽霊ヒロシ(加瀬亮)だけというはぐれもの
なのです。
そんな葬式ゲームの参加中、少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)と出会います。
程なく二人は恋に落ちますが、アナベルには持病があり、余命が3ヶ月だった
のです・・・。
私が年齢を食っているせいか、最初はなじめなかったのですが、暫らくすると
のめり込んで見ました。この3人の主役がとてもいいのです。
ちなみにイーノック役のヘンリー・ホッパーは、昨年急逝したデニス・ホッパー
の忘れ形見で、この作品がデビュー作ですが将来性ありです。
メガホンをとったのは「ミルク」「グッド・ウィル・ハンティング」のガス・
ヴァン・サント監督で、俳優の持ち味を活かしながら一風変わったこの青春
ドラマを上手く纏めています。
物語は最初から死について語り、最後まで死がテーマなので、考え方によっ
ては重いともいえますがカラッと描いていて、後味が意外にいい作品でした。
好き嫌いはあるでしょうが、私的にはお薦めです。