「あしたのジョー」は1967年に少年マガジンの連載からはじまり、漫画発行
部数は2500万部を突破している戦後最大の人気漫画です。
昭和40年代の東京下町で、喧嘩に明け暮れていた矢吹丈(山下智久)は、元
ボクサーの丹下段平(香川照之)に才能を見い出されます。
喧嘩して入所した少年院で出会ったプロの力石徹に初めて負けたジョーは、
丹下の指導で自己流だったフォームを直して鍛え始めるのです。
お互いの力を認め意識しあう二人は、いつかリング上で戦うことを目標にす
るのでした・・・。
と、こうゆう風に書いて行くと面白いのですが、脚本も演出もヨレヨレなので、
いっぺんに期待外れとなってしまいました。
やはり漫画の実写化は余程でないと難しいのですね。
ライバルの二人に抜擢された山下・伊勢は、特訓を重ねたそうですがそれ
でも迫力不足です。
香川の丹下も、体全体を覆うゴム製の特殊メイクで凝っていますが作り過
ぎです。
力石の身を案じて支える令嬢役は香里奈ですが、どこから見てもお嬢様の
イメージには程遠く、ミスキャストでしょうね。
残念ですが薄っぺらの内容、独特な時代色が出ていない、原作を知ってい
ればいるほど評価をさげる・・・このような状態を131分も続けて見せられて、
曽利文彦監督は罪作りですよ。