中公新書の9月新刊。
天神様だが、歴史上の人物でもある。
単なる官僚で、神様になってしまったのだから、凄い人。
特に、受験の時、天満宮に行くのは、日本人の常識?
本書は、その天神様の実情に迫る本。
資料は、もちろん限られるのだが、我々が普段触れることのない資料も参考にし、菅原道真の本質に迫る。
とにかく凄い才覚。
妬まれるのもやむない?
ただ、それをひけらさせることもなかったのに、何故、非業の死を遂げたたかというと、陰謀に巻き込まれたとしかいいようがない。
それだけ、当時の天皇家の継承は大ごとだったのか。
あまり知らなかったのは、若い頃の讃岐勤務の際も、中央から離れたことへの不満を唱えていたこと。
道真が何を求めていたのかはわからないが、認められたいという気持ちが強かったことは、確からしい。その辺が、警戒心をいだかれた原因かもしれない。
歌を作る能力と、官僚としての能力が、表裏になっていたという点も面白い。
平安時代の混沌とした世界が浮かび上がる。