「公教育を問い直すフリースクール」2

「公教育システム研究」の中で大きな比重を占めているのが「公教育を問い直すフリースクール -札幌自由が丘学園の調査 -」である。

この第1章の第1節「フリースクールとは何か」を市原純さん(大学院)が書いている。市原さんは日本の教育史におけるフリースクールの意味と性格を端的に指摘しながら、次のように言う。

「フリースクールは果たしてきた役割の中に、公的な要素をみることは可能である。その公的な役割とは、排除の危機に晒されたり周辺的な位置にある子ども・若者に対して、一定の学びを保障する役割である、さらにその存在によって既存の公的な教育制度上の瑕疵を見つけさせ、その制度を暫時見直していく視点を提供する役割である。むしろ現在は、どのような要素を公的なものとして制度の中に認知するか、それ自体が争点となって良い。そしてさらに進んで、その公認のあり方に伴い、制度上の具体的なあり方(例えば、行政とフリースクールとの連携のあり方)をどうのようなものにしていくべきか、という点までが一連の争点として問われている現状にあると思われる」。


現政権の“切り札”の意味をもっているキーワードは「新しい公共」である。この基本的な内容を5月までまでには提言としてまとめるという。この概念の中にフリースクールも含まれている。
上の指摘をこの「新しい公共」の文脈の中で見ることができよう。

フリースクールのもつ公的な役割を北大の教育行政學研究グループの「公教育システム研究」は指摘してくれた。私たちフリースクールの関係者が長年フリースクールの役割を、現実の子どもたちへのサポートの実践を通して叫んできたことが評価されたことが非常に意義深いと感じている。
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