「本」が減る?

学校の図書室をチェックした。けっこういい本がたくさんある。ほとんどがいろいろな人(私を含めて)からの寄贈本だ。

何冊か書棚から引いてページをめくる。多くの本が「あなたが初めて私を求めてくれた人です」と言っている感がする。今、うちの学校だけでなく図書室(図書館)の書棚を見て、あるいは検索して書棚から本を引き出すことはあまりない。図書館がだんだん不要になってきているのだろうか。

ときどき市立図書館に行く。座る椅子をまず確保しなければ、と気を配らなければならないほど来場者はいる。しかしその多くは受験生のようだ。書物を求めてくる人は減ってきていると思う。

世に出される本も減ってきている。ネットで調べればいい、という多くの心配りがどんどん一般化していくだろう。たしかにスマホをチェックすればほとんどどんなことも調べることはできるし、理解することもできる。
しかし何かさびしい。私も自宅に「図書室」を持っていた。しかし住宅の改築などを2度ほど行ううちにその大部分を処分してしまった。今も思い出す、「どうして私を捨てたの?」という恨みの叫びを。だから本から離れていく今の多くの人を批判してもその的は自分に向かうのだということを感じるのだ。

隣にいた妻が「齧」という文字を出してなんと読むか、と聞く。うーん、これは? と頭をひねったが分からない。書棚に広辞苑があるから、調べようかと思ったら、妻がカシオの電子辞書で「かじる」と読むと言った。だから書棚の広辞苑のお世話にならなくとも手元のスマホまがいの物で調べることができた。ますます紙でつくる「辞書」はいらなくなっていくか、と実感した。

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