袴田事件(3)

1966年11月に開かれた静岡地裁での第1審公判以来、袴田さんは一貫して無実を主張してきた。しかし、1980年12月12日に最高裁判所で死刑が「確定」した。
その後、粘り強く「再審」を要求し、多くの弁護団や世論もあって、2014年に静岡地裁は再審を認める態度を示した。この年の3月、袴田さんは48年ぶりで釈放されたが、「拘禁症」で苦しんでいる状態が今日まで続いている。
しかし地裁は再審を認めたが、東京高裁はこれを認めず、ようやく2020年に最高裁は高裁に審議をやり直せという態度を示した。そういう経過を経て高裁は2023年「再審」を認める態度をとった。東京高裁は、衣類のほかに袴田巌さんを犯人と認定できる証拠はなく、確定判決の認定に合理的な疑いが生じることは明らかだとして、再審開始を認める決定した。

この「再審」は今後どういう展開を示すか、大いなる関心をもって見続けたい。諸般の事情を、わかる範囲で見たのだが、私は袴田さんが真犯人であるはずはない、と感じるのだがどうだろう。しかし誰かが1966年6月30日に静岡県清水市で、当時味噌製造会社の専務だった人の住宅を放火し、4人の家族を殺しているのだ。

いろいろな説がある。被害者家族のひとりが2014年3月28日(袴田さんが釈放された日)に自殺していることなども重なって、この事件のナゾが深い。

次回、この事件の「物証」などについて感じることを記したい。

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