来し方、行く末に思いを続けて…
日記 … Kametarou Blog
32歳の「少年A」
いうまでもなく1997年に神戸市で行われた殺人事件の加害者が酒鬼薔薇聖斗と自称していたが当時14歳の少年であったゆえに、今32歳になっていても「少年A」と呼ばれている。
この男は当時2人の中学生を殺し、3人に傷害を負わせていた。うちひとりの子どもの首を校門にさらしていたというショッキングな行為だった。
その後少年院での生活をおくり、2005年に退院し社会復帰をしていたが、自分の過去を書物として出版した。「絶歌」というタイトル。私は読んでいない。
少年Aに殺された当時11歳の父親の土師(はせ)さんは手記の出版を「加害者に二度殺された」と悲しみと怒りを表しているという。
「絶歌」を出版した大田出版は「出版」によって「少年犯罪発生の背景を理解することに役立つ」と言っている(「週刊新潮」7月2日号)。そしてこの書はベストセラーになっている。土師さんは出版をやめるように強く言っていたが、無視されている。
たしかにペンネームがあるし、ハンドルネームもある。「少年A」というペンネームで出版したのだろうが、本名を書物のどこかに明記してなければならないのではないか。この書の内容は単なるフイクションではない。
被害者の「やめて欲しい」の願いを無視して出版したのはりくつは別として儲けたいという気持ちがあったことはいうまでもないだろう。被害者の気持ちなどは第二第三だ。
こういう恥知らずの少年Aや出版社に対して社会的にきびしく当たってもいいのではないか。
「週間新潮」はこの「少年A」特集記事の中で、全国犯罪被害者の会の林良平さんの言葉が載っている。
「人を二人も殺しておきながら、自分は殺人者だと誰にも悟られることなくのうのうと生活し、印税を稼ぐ。卑怯の一言です」。
なおアメリカには犯罪者が本を出版した場合、その印税を被害者や遺族が容易に差し押さえられるようにする法律「サムの息子法」があるとのこと。日本でも考えるべきだろう。悪いやつが大手を振って過ごせるなど許せないと思うのは私ひとりではないであろう。
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