山本五十六という人。太平洋戦争開戦に関して。

ヒマだから専ら読書。近くに市立図書館地区センターがあって非常に好都合だ。昨日借りてきたのは、遠藤周作の「王国への道 …山田長政…」と阿川弘之の「山本五十六」上下の3冊。

まず後者から読み始める。山本五十六(いそろく)はシニア世代では知っている人は少なくないだろう。あの戦争中の大司令官だった人(連合艦隊司令長官。海軍)で昭和18年、乗っていた飛行機が攻撃されて戦死した人。父親が56歳の時の子どもだから「五十六(イソロク)」とつけられたという。親の顔が見たいと言いたいが。
戦死後、「軍神」などと言われた人だった。

当時陸軍よりも海軍系の人に対米英開戦に批判的な人が多かったといわれていたが、この山本もそうだった。その理由は、アメリカのハーバード大学に2年間留学するという体験と無関係ではないだろう。
日独伊の三国同盟には反対だった。また対米英開戦についても山本は反対だった。国力の差を考えたら戦争することはあり得ないという思いだったようだ。しかし、軍人だった山本は10月11日、友への手紙に「大勢は既に最悪の場合に陥りたりと認む。なさけなき次第なるも今更誰が善い悪いのと言った処で始まらぬ話しなり」と記している。

海軍の幹部であれば、身体をはって反戦を説けばいいのに、と今ならいえるだろうが、実際にはそういう行為はとれなかった。上のとおりだ。

12月2日、山本は海軍省で武井経理局長の部屋で、こう言ったとのこと。
「本来なら海軍を辞めるべきだが、どうしても辞めるわけにはいかない。こうなったら南洋に潜水艦をうんとばらまいて相手に蜂にたかられているような思いをさせることだ。…戦ってもしようがないという気持ちを相手に起こさせることだ」。 ハワイ奇襲攻撃でアメリカの戦意を抑え、休戦に持って行こうという姿勢だった。
 この日、連合艦隊の各部隊に、午後5時30分、山本の名で
「ニイタカヤマノボレ 1208」の電報が発せられた。

アメリカは、「日本軍が開戦の通知をする前に攻撃した」と非難していた。しかしアメリカの近代的暗号解読班はこれを事前に知っていたという。知らないふりをしたというわけだ。
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