じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「二流小説家 シリアリスト」

2018-07-28 23:50:22 | Weblog
☆ 映画「二流小説家 シリアりスト」(2013年)を観た。

☆ 上川隆也さんの作品と阿部寛さんの作品は欠かさず見るようにしている。どちらも面白い。

☆ この映画は上川さんが主演。二流(エロ)小説家のもとに死刑囚から手紙が届く。自分のことを小説にして欲しいという。この死刑囚、女性の連続殺人犯で、犯行後は首を切断し、その写真を警察に送るといったサイコパスだ。依頼に迷う二流作家だったが、やがて事件に巻き込まれていく。

☆ 面白かった。「遺留捜査」と同様に上川さんのキャラクター、いいわ。
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庄野潤三「プールサイド小景」

2018-07-28 20:34:18 | Weblog
☆ 庄野潤三さんの「プールサイド小景・静物」(新潮文庫)から「プールサイド小景」を読んだ。

☆ 昭和29年(1954年)に発表された作品だが、今読んでも古くない。北川恵海さんの「ちょっと今から仕事をやめてくる」(メディアワークス文庫)にも通じるものがあるように感じた。

☆ 物語は新しくできた学校のプールの情景から始まる。そこではインターハイを目指して女子高生が練習に励んでいる。その片隅で父親が2人の子どもを泳がせている。コーチに頼んで使わせてもらっているという。夕方になり、犬を連れた母親が迎えに来る。これから家族の夕食か。のどかな風景だ。と思っていたら、どんでん返しが待っていた。

☆ 家族崩壊の危機。危機に直面して、妻は初めて夫のことをよく知らなかったことに気づく。

☆ 余韻を残したエンディングが印象的だ。この後が気になって仕方がない。
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経験則

2018-07-28 18:15:07 | Weblog
☆ 過去の経験から導かれる法則を経験則という。いわゆるセオリーと言うものだろうか。

☆ 接近中の台風は異例だ。台風と言えば西から東へ、あるいは西から北上するのが普通だ。

☆ 数年前に1度、変則的な動きをする台風があったように記憶しているが、今回のように明らかに東から西へと進むのは珍しい。転向点が北上しているということは、日本が亜熱帯化しているということだろうか。フィリピンや台湾の気候に近づいているのだろうか。

☆ 経験則があてはまらないということは、想定外の被害が起こるかも知れない。宇治市近辺はまだ晴れているが、ラジオは天候の急変を警戒するように呼び掛けている。
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半村良「雨やどり」

2018-07-28 17:30:18 | Weblog
☆ 半村良さんの連作短編集「雨やどり」(集英社文庫)から表題作を読んだ。

☆ 半村さんといえばSF作家だと思っていたが、艶っぽい作品を書いていたんだ。

☆ 新宿・歌舞伎町のバーのオーナーをめぐる物語。仙田は遂にマンションを手に入れた。ビルの4階の角部屋。荷物を入れてしまうと狭く感じたが、都心では仕方がない。エレベーターがないのが不自由だ。

☆ 雨模様のその朝、仙田は新聞を取りに1階まで下りて行った。そこに和服姿の女性が飛び込んでくる。雨宿りのようだ。よく見ると、知り合いの店で働くホステスだ。ということで、二人の話が始まる。

☆ 本編はほとんどが会話でつながれている。それが実に自然だ。飲み屋街で生きる人々と常連客の心温まる会話が弾む。

☆ いろいろな人生があるものだね。
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赤瀬川隼「消えたエース」

2018-07-28 13:53:58 | Weblog
☆ 赤瀬川隼さんの短編集「白球残映」(文春文庫)から「消えたエース」を読んだ。面白かった。

☆ ペナントレースで22勝を挙げたエース投手が「個人的な事情」で引退した。それから30年。高松でのオープン戦で元記者がそのエースを見かける。彼はその引退の本当の理由が知りたくて仕方がない。直接聞きたいが、元エースは大の記者嫌いと聞いている。自分も記者を辞めて30年。勇気を出して近づいていくのだが・・・。

☆ 野球を愛する男同士の会話に心が踊る。元エースが引退を決意した本当の理由とは、そしてドラマチックな展開に思わず笑顔がこぼれる。
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島本理生「リトル・バイ・リトル」

2018-07-28 10:20:23 | Weblog
☆ 島本理生さんの「リトル・バイ・リトル」(講談社文庫)を読んだ。

☆ この歳になるとこういう作品は実に「かわいらしい」と思う。孫の成長を見るようだ。

☆ 主人公はふみさん。高校を卒業したばかりだ。接骨院に勤める母と異父妹で小学2年生のユウちゃんとの3人家族。物語は、母が酒に酔って帰ってくる場面から始まる。勤め先がつぶれたというのだ。早速明日からの生活に直面する。さて、どうなるやら。

☆ この作品は作者が20歳の時に発表されたという。作者の等身大の感受性が心地よい。

☆ 成長しつつある女性の「日常」が描かれている。戦争や革命や虐殺や殺人が起こる話ではない。そういう意味では静かな作品だが、登場人物たちの内面はいわば「疾風怒濤」の時代なのだろう。壊れそうな緊張感がいい。

☆ エンディングもとてもさわやかだった。人生はまだ始まったばかりだ。little by littelで進んでいけばよい。そんな気分にさせてくれた。

☆ (それはまた、作家・島本理生の自分自身への「宣言」なのかも知れない)
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映画「砂の器」

2018-07-28 08:32:32 | Weblog
☆ 映画「砂の器」(1974年)を観た。3回目か4回目になる。だからストーリーはわかっているが、今回はデジタルリマスター版ということで、画像が鮮やかに蘇っている。

☆ 夏の暑さが出演者の汗やしぐさで伝わってくる。まだクーラーと言ったものが一部の裕福な家庭にしかなかった時代だ。警察署内の暑さ、犯人を追う刑事たちの熱が伝わってくる。

☆ 先ほど亡くなった橋本忍さんが山田洋次さんと脚本を担当、監督は野村芳太郎さん。新鋭のピアニストにはこれも先日亡くなった加藤剛さん。刑事役には丹波哲郎さんと森田健作さん。原作は松本清張さん。

☆ 名曲「宿命」を背景に、父子の巡礼姿を追うシーンは圧巻だ。セリフをなくすという大胆な脚本だ。

☆ 何度観ても素晴らしい作品だ。
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