じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「コーチ・カーター」

2018-07-16 23:38:05 | Weblog
☆ 映画「コーチ・カーター」(2005年)を観た。

☆ 底辺高校のバスケットボール部のコーチに同校出身のカーターが就任した。彼はかつて全米代表にまで選ばれたが、今の選手たちに尊敬の気持ちはない。荒廃するダウンタウンで生活する彼らは家庭に問題を抱え、将来への希望もないことから、その日の快楽に溺れていた。勉強など授業にもでないありさまだった。

☆ 就任したカーターは彼らと契約を交わす。試合にはネクタイを締めて来ること、練習が始まる5分前には集合すること、2.3の成績をとること、授業には必ず出席すること、授業は最前列で受けること。

☆ カーターコーチが教えようとしたことは、自分自身に誇りを持つこと、自分自身を信じること、自分自身に自信を持つことだったのではなかろうか。それが結果として、バスケットボールでの勝利にもつながると。

☆ 実話に基づくとは言え、できすぎた話だ。たまたまうまくいったから良いもののそうでなければ「パワハラだ」と言われかねない。全くその通りだ。そのリスクは、カーターコーチも知っていたはずだ。それでもギリギリのしのぎあいに賭けた。そこが偉い。


☆ 格差社会に苦しむアメリカの姿が見える。時を経て、日本も同じ病に冒されているようだ。

☆ 熱血だけではダメだ。月並みだが、生徒を思いやる気持ちがあって、彼らを再起させる力がなければ、単なる勝利至上主義、パワーハラスメント、そして指導死となってしまう。見かけは同じ「しごき」でも、底流の違いが大きな差となるように思った。
コメント

辻原登「村の名前」

2018-07-16 21:27:14 | Weblog
☆ 辻原登さんの「村の名前」を読んだ。

☆ 商社マン・橘は、畳卸業者の男と畳を買い付けるために中国を訪れる。行きついたところは「桃源郷」という田舎の村。ところが「桃源郷」とは名ばかりで、そこは瀕死の村だった。

☆ 文化の違い、政治体制の違い、通じない言葉、したたかに生きる村人と官僚主義的な党の人々、現実と幻想が入り乱れて、橘の心は乱れる。

☆ ある女性との出会い。一夜の情事。しかし、そこにも罠があった。


☆ 幻想にとらわれたり、現実の政治体制に引き戻されたり、読者も翻弄される。新しい時代の波を感じながら古い生活から抜けられない人々。「異邦人」から見た、過渡期に生きる人々の姿が楽しめる。 
コメント