議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

コロナ対策の廃棄物処理法改正、通知

2020年05月20日 11時39分17秒 | 通知等インデックス
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皆様こんにちは。

コロナ対策で様々な変化に見舞われているところですが、
いかがお過ごしでしょうか。
私はほぼテレワークで、以前のようにセミナーが仕事の
中心ではないため、限りなく普段通りに仕事をしています。

さて、廃棄物等の処理・リサイクルについては、環境省から
様々な文書が発出されています。

新型コロナウイルス感染症に係る廃棄物の処理及び感染拡大への対応に関する通知等
このページは、今後も資料が追加されると思われますので、要チェックです。

4月中は、感染予防対策の具体的方法を提示する資料が比較的多かったですが、
5月に入るころから廃棄物処理法上の規制緩和措置が発表され始めました。

■まず、優良認定業者の保管上限を引き上げました。
(一般廃棄物の許可不要の特例も同時に出されました)
上限を上げてもらっても、そんなにスペースがないことの方が多いでしょう。
それに今は現地確認はなかなかできませんし、できたとしても保管量を
丁寧に確認することもないでしょう。

概要
詳細

一応、条件付きですが、下記の日数×1日の処理能力が保管上限となりました。
(通常は14日分です)

(1)汚泥(有機汚泥を除く。) 35 日
(2)安定型産業廃棄物 35 日
(3)鉱さい 35 日
(4)ばいじん 35 日
(5)建設廃棄物の木くず、コンクリートの破片(石綿含有産業廃棄物を除く。)49 日
(6)建設廃棄物のアスファルト・コンクリートの破片 91 日

【注目すべきなのは・・・】
細かい数字はともかく、注目すべきなのは、この緩和措置の意図です。

自治体でも処理業者でも、従業員にコロナ感染者が出た場合、休業したり稼働率、
事務処理能力が低下します。その結果、廃棄物処理に支障が出る恐れがあるので、
それを見越しているようです。

委託する側としても、そのような事態を想定しておきましょう。

この通知では、処理業者が受け入れできなくなった場合は、
他の業者に委託しなおすか、再委託することになるため、事前に
調査、確認しておく方法が推奨されています。
再委託の承諾は、電子メールでもよいと言っているのですから、
適法とはいえ、なかなか踏み込んでいます。

更新許可手続きを柔軟に
有効期限内に更新申請を受け付けてもらえないと、許可が無効に
なってしまいます。
メールや郵送での提出を推奨し、さらに書類に不備があっても
差し戻さずに、とりあえず受付をするように、といった通知です。

■マニフェスト交付等状況報告書や多量排出事業者などの提出期限を
通常の6月末から10月末に延期しました、
合わせて返送期限なども30日程度は延長されています。

概要
詳細

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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コロナ対策で、これまでできていた様々なことが出来なくなりました。
日常の有難さを改めて感じる良い機会になっていると思います。

また、事前に緊急時に備えることも重要ですが、限界があります。
どんな緊急時、危機にも対応できる、柔軟で風通しの良い、
優秀な組織、トップの重要性を改めて感じています。
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埋め殺し、地下埋設物、地下工作物の扱いについて

2020年02月17日 11時19分01秒 | 通知等インデックス
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皆様こんにちは。

2月中旬に入って、ようやく2020年最初の更新という、相変わらずの
気まぐれ運営で申し訳ありません。

最近の議論de廃棄物では、勤務先の公式ウェブサイトなどでのご紹介だと
タイミングが遅くなる、すぐにでもお知らせしたい、ちょうどよい媒体が
ない、などの場合のネタ、情報提供をさせていただいています。

さて、今回はタイトルの通り、建設工事で地下に残っている工作物を撤去せずに
そのままにしておく?ための判断基準をまとめた資料
「既存地下工作物の取扱いに関するガイドライン」
のご紹介です。

日建連作成のものですが、環境省のアドバイスも受け、自治体のヒアリング結果や
具体的事例を交えたケーススタディもあり、非常に充実した内容です。
よほど、建設業界内で皆さんの共通課題として悩んでいるのでしょう。
オフィスビルやホテルなど、都内で再開発案件が沢山ありますので、
このような判断基準に対するニーズは非常に高いのだと思います。

業界にあまり関係がない方でも、少し目を通されても面白いかと。

この日本建設業連合会ページ
ファイルダウンロードリンクから
「既存地下工作物の取扱いに関するガイドライン」
をご覧ください。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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廃棄物関連の取組みを積極的に行っている業界団体としては、以前は
電機電子系と自動車が挙がったように思いますが、最近あまり元気が
ないので、寂しくもあります。

一方で建設関係は、オリンピック後も仕事が途切れないと言われて
いますから、業界活動も活発なのでしょうね。
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不法投棄が増えています

2019年12月25日 14時02分40秒 | 廃棄物事件簿
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皆さん こんにちは、そしてメリークリスマス!!

最近はこのブログ・メルマガの更新が、本当に、全く滞っており、
申し訳ありません。

世間から忘れ去られているではないかと心配なのですが、
それでもつい最近、廃棄物管理の新任担当になった方が、
このブログの昔の記事を参考に勉強されたというお話を
いただきました。

入門書を読んでも実務でどう適用すべきか分からない、
具体的な解釈を知りたいという方にとっては
まだまだ価値があるということでしょう。

有難いことです。


なお、最近の私の書き物は、以下に毎月掲載されております。

これまでで一番多いでしょうか、そのためにブログの更新に
手が回っておりません。
単なる言い訳ですが、偽らざるところです。

MVJ通信(←メルマガ登録を是非)

・リバーホールディングスの「ecoo online

・大栄環境グループの「廃棄物処理法あるあるスタディ

日経ESG

環境新聞


タイトルの件ですが、昨日の環境省の発表をご覧ください。
産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成30年度)について


昨年度に判明した不法投棄の量が、
前年度の3.6万トンに対して、15.7万トン(12.1万トン増)
となっています。

あくまで判明した量ですので、実態はもっと多いはずです。

このプレスリリースでは、この増加について特に触れていませんが、
さてどう考えるべきでしょうか。

刺激的な表現をするなら、
「不法投棄の量が3倍に急増!!」
と言うこともできます。

とはいえ報告書では、
昨年度の15.7万トンのうち13.1万トンは3件のスポット大規模事案
ということですから、来年は例年通り5万トン以下になるのかも
しれません。

いやいや、もしかすると、中国の禁輸の影響が出始めているのかもしれません。

次回の報告に注目しましょう。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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今年も、ことあるごとに気候変動、地球温暖化の影響を感じることが
多々ありました。

そこで、マテリアルリサイクルができない廃プラは、サーマルリサイクルして
CO2を大気放出するより、貯留するべきと思うのですがいかがでしょうか。

「そんなのアリ?」と思われるかもしれませんが、大まじめです。
なにせ、海外では熱回収はリサイクルとは認識されていないのですから。

来年は、このような案も真剣に検討されるようになってほしいと
思います。

それでは、皆様良いお年をお迎えください。

来年もよろしくお願いします。
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無料セミナーのお知らせ

2019年10月15日 16時44分52秒 | ニュースクリッピング
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皆さんこんにちは。

今回は、私の勤務先のメジャーヴィーナス・ジャパンが主催する
無料セミナー(11月25日に秋葉原で開催)のご案内です。

テーマは、フロンとアスベストの法改正について、環境省の委員会の
委員の方をお招きして最新動向をご説明いただくというものです。

建設工事の元請業者だけでなく、建設、解体工事の発注者や、建築物の
所有・管理者に関係する内容です。
自社ビルがある企業は、もちろん関係してきます。

まだ1カ月以上先ですが、既に定員の7割近くまでお申し込みをいただいて
おりますので、ご興味のある方はお早めにお申し込みください。

→お申込みはこちらから


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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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IPCCが、食糧生産ビジネス、それも家畜=肉の消費が気候変動に大きな
影響を及ぼしているという結果が発表されたことはご存知でしょうか。
毎日ステーキを食べたいと言った某省の大臣が批判されているのは
このためです。

農水省はこの報告書を踏まえて政策に反映していく旨このページ
発表しています。

この農水省ページや要約文では、畜産の影響にあまり直接触れていませんが、
報告書本体では色々と説明されているようです(すみません読めていません)。
代わりに、このページでは詳しく解説されていますのでご紹介します。


そう遠くない将来、プラスチックが悪者になったように、
肉食が悪者になるかもしれません。
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ローマ法王と環境問題

2019年10月02日 17時51分04秒 | コンサル日誌
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皆さんこんにちは。


娘の学校がカトリックということで知ったのですが、ローマ法王が
11月に来日されるそうです。38年ぶり2度目ということで、キリスト教の
関係者間では超ビッグイベントのようです。
https://popeinjapan2019.jp/

私はキリスト教徒ではありませんが、ローマ教皇=法王が環境問題に積極的に
発言しているということで、少々注目しています。

2015年に出した回勅という文書では、環境問題や気候変動問題を取り上げて
います。回勅とは、
「ローマ教皇から全世界のカトリック教会の司教へあてられるかたちで
 書かれる文書で、道徳や教えの問題についての教皇の立場を示すもの」
だそうです。

 ◎ここは、よくまとまっています
 
 ◎英語ですが、原文リンク
 
 ◎日本語版は書籍化されています
 


少々乱暴にまとめると、
「環境問題は、調和の問題、心の平安の問題でもある」
ということで、
「もっと真剣に取り組むべき」
という叱咤激励をしています。


HPでは常設のカテゴリーを設け、例えば、先日の気候変動サミットに
対するビデオメッセージなども掲載されています。



日本ではほとんど報道されていませんが、ローマカトリック教会は12億人
以上の信者を持っているというのですから、相当な影響力があるはずです。

ということで、ご紹介でした。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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娘、というのはプロフィール写真に乗っている赤ちゃんのことです。
保育園もたまたまキリスト教系でしたが、今や中学生。

写真は10年以上前のものですが、ここまであっという間でした。

今から10年後は2030年、あっという間なのでしょうけど、
どんな世界が待っているのか、子供たちから
「無責任なオトナのせいで酷いことになった」
と非難されないように、頑張りましょう。
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通知が出ました「廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等について」

2019年07月26日 18時02分10秒 | 通知等インデックス
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皆さんこんにちは。


環境省から通知が出ました。
廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等について


ほぼ同時に、中国の輸入規制の影響についての調査結果の第2弾
がでました。
外国政府による廃棄物の輸入規制等に係る影響等に関する調査結果~平成30年度下期~

一言でまとめると、廃プラをはじめとして国内で処理が滞っているので
・排出事業者はキチンとお金を払って、
・自治体は火災予防や不法投棄対策等の監督をして、
・市町村は廃プラを焼却炉でも受け入れてくださいね、
ということです。

この点については、私の勤務先で6月にスタートさせたMVJ-netでも
解説しています。ぜひご覧ください。
https://www.major-venous.com/waytorecycle/


それにしても処理業者に何かするように、という話は、そもそも処理業者
からの相談いまさからでしょうか、特になかったようですね。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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前回の記事で申し上げた通り、市町村側の実務対応がどうなるかが
重要です。
親会社グループも含めて、実務対応でお手伝いできることはあるとは
思いますが、とても手が足りなそうです。

廃棄物問題がクローズアップされるのは、ある意味よいことですが、
最近火災が増えているように感じますので、本当にそろそろヤバい
と思います。

私の勤務先のMVJも、扱い量を増やす予定ですので、何とかみんなで
しのげるように頑張りましょう。
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廃プラは焼却より地下貯留を

2019年07月17日 15時21分37秒 | ニュースクリッピング
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皆さんこんにちは。


INDUST7月号の特集に私の記事が掲載されました。14ページからです。
「雑品スクラップ処理のあるべき姿へ向けて」というタイトルで、
その名の通り雑品スクラップの話ですが、最後にかなり無理筋の提案を
しています。
市町村の焼却炉で廃プラを受けてください、という環境省の要請に
乗っかって、埋立処分場で受けましょう、という提案です。

政治的、住民同意的にみて、実際無理だとは思うのですが、そもそも
地下から掘り出したカーボンを
・わざわざ燃焼させて大気中にCO2の形で放出するという方法と、
・地中に戻して貯留するという方法の
どちらが良いかを真面目に考える必要があるのではないかと思います。

将来の地球人類のために、プラスチックは地下に置いておくより、
少々熱回収率が悪くても、サーマルリサイクルがよい、などと
本当に言い続けてよいのでしょうか。

それより、再生可能エネルギーの普及をもっと真剣にやったほうが
よいのではないでしょうか?

という問題提起です。

みなさん、どう思われますでしょうか?

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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上記「廃プラは焼却より地下貯留」は、最近の私の持論です。

廃プラは、しっかり固化させてしまえば安定した性状になります。
一般廃棄物の焼却炉で燃やすのは難しくても、埋めるのは技術的に
問題がないのですから、その点では容易な策です。

中長期的には、現在の最終処分場とは別のスキームで、廃プラに
限定してでも、固形/安定化したものを貯留するという手法を確立
すべきではないかと思います。

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廃プラの保管量2倍緩和措置について

2019年06月28日 09時11分26秒 | ニュースクリッピング
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既にご存知の方も多いと思いますが、環境省が優良認定業者の
廃プラの保管上限を2倍に引き上げる方針です。

日経新聞記事 廃プラの一時保管量2倍に、不法投棄防ぐ 環境省
こちら


パブコメも出ています。


パブコメで上がっている省令案はこちら


■効果のほどは??
さて、保管上限を上げても、50%勾配の基準の緩和や、
保管場所として申請しているエリア以外での保管を許容する
必要がありますが(変更申請を出させるのかも?)
それよりなにより、そんなに場所がある処理業者って
そんなにあろうはずもなく。
特に大変な関東圏周辺ではなおのこと。

残念ながら、既に保管上限を超えて保管している業者が多く、
優良認定業者が若干多めに保管出来たところでたかが知れて
います。


■危機意識にある意味逆行
雑品の保管基準は、火災対策のために5m上限やひと山200㎡制限を
作ったばかりですが、
今度は産業廃棄物の保管上限を2倍に緩和するのですから、
火災対策とは逆行しています。
ただでさえリチウムイオン電池の混入が増えているのに、
2倍の大きさの山で火災が起こったら、消火が大変でしょうに。


何もやらないよりはよいですが、その点では先般の市町村焼却炉
での焼却要請も同様です。「ある弾は全部撃つ」ということかも
しれませんが、どちらかというと「藁をもつかむ」、に近いですね。

環境省の努力は高く評価していますが、
排出~中間処理~最終処分に関わる業界関係者としては、
それだけ状況が悪いという認識を持たなければならないでしょう。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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あちこちで記事を書いていますが、動きが急すぎて書いた記事が
あっという間に古い内容になってしまいます。

風雲急を告げていますね。
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自治体焼却炉での産業廃棄物受入へ

2019年05月17日 09時23分35秒 | ニュースクリッピング
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一般紙ですでに取り上げられている通り、環境省が市町村に
産業廃棄物を焼却炉で受入れるように要請するそうです。
もちろん、そんな要請がなくても、やろうと思えばやれたのですが、
環境省が財政支援なりもするということで、一歩どころか三歩は
前進です。

一応リンクを。
環境省、自治体に産廃のプラ焼却要請 来週にも通知へ

産廃プラ、自治体に焼却要請へ=中国禁輸で処理進まず-環境省

廃プラ産廃も焼却要請へ 全体の8割 環境省、市区町村に

さて、だからと言って簡単ではありません。
仮に、政治的、法律的な問題が解決されたとしても、自治体側で
実務上対応できるかという問題があります。

まず、
①受入れる産廃の選定
②処理費の設定
③契約手続き(産廃なので市町村が受けるのでも委託契約が必要)
④搬入、運転管理(焼却炉の運転、メンテナンス、焼却灰の処理)
⑤必要に応じて受入停止

特に①、②は実際難しいでしょう。
◇社会的に意義が高いものを優先的に受け入れる
 →マテリアルリサイクルできるものは受けない
 →処理業者からの二次廃棄物を受けたほうが
  滞留対策として有効
◇受け入れ基準
 →忌避成分をどうコントロールするか
◇安くしすぎない
 →食品リサイクル同様、リサイクル阻害しかねない
 →忌避成分があるなら適正処理費をもらう
 →民業圧迫にならないように

③は単に面倒で、手間がかかることでしょう。
④は、産廃焼却の技術的経験が欲しいところでしょうか。
⑤は、停止された業者からのクレーム対応が大変かも
しれません。
 「他の業者のは受けているのに、なんでうちのが
  駄目なんだ」
とかね。


一言で言うと、
「人手とノウハウが足りない」
ということです。


もしやれるのであれば、しっかり処理費を取って、
自治体の財政を支える事業として成り立たせるという
のもありかもしれません。
自治体の焼却炉が、一般廃棄物しか受けないのであれば、
スケールメリットが出せませんし。産業廃棄物も一緒に
やれたほうが、当然効率的ですよね。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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さて、市町村の担当者の方々、これから大変です。
近隣の排出事業者、処理業者からの問い合わせは既に沢山
来ているのではないでしょうか。

今後の推移に注目です。
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クールビスですが、今朝は暖房の方も??他

2019年05月09日 08時37分41秒 | コンサル日誌
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ご存知かもしれませんが、4月1日から、産業廃棄物の許可自治体が
増えています。
中核市が増えただけなのですが。
https://www.ecoo-online.jp/waste-disposal-low/tips/20180529-2/

何年前のことか忘れましたが、
「煩悩の数(108)を超えちゃったなぁ、どこまで増えるんだろう」
と思っていましたが、中核市の要件が緩くなったこともあり、
規模の小さい市がどんどん増えています。いまや、126自治体。
収集運搬業の許可と切り離されたからよかったものの、さすがに無駄に
分権しすぎて、非効率になっているのではないでしょうか。

どこかで、再考が必要と思います。


5月1日からは令和になりましたが、これまで散々騒がれていたため
一種の流行り言葉のような感じがしていました。
それが、役所のまじめな書面に「令和元年」とあると、なんだか
変な感じです。例えば、このCOOL CHOICEのページ


そのうち慣れるのでしょう。


さて、5月1日からはクールビズも始まっています。

COOL CHOICEとクールビズの関係、ご存知でしたか?
どうやら、クールビスはCOOL CHOICEのの主要施策のひとつなんだ
そうです。知りませんでした。もちろん、クールビズのほうが
先輩格です。

最近は、冬でもノーネクタイという会社もありますし、
私も個人的にはそうですし、着るものについては好きにしたら
いいではないか、と思っています。
今朝の東京は最低気温9度でしたから、暖房を使った方もいた
のでは?

それより問題は、冷房の設定温度です。

28度って、おかしいじゃないかと指摘されていましたが、
環境省から説明があります。

単なる目安、だということです。


設定温度なんてナンセンスだいうことで、平気で20度設定にしている
こともありますが、それも極端です。うちのオフィスでは、温度表示が
大きいデジタル温度計を室内に設置して、可視化を図っています。
「今何度?」トークから「じゃぁ設定変えようか」にもつながるので
悪くないと思います。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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5月28日に、上智のソフィア・エコロジー・ロー・セミナー
講師をします。

テーマは、「中国の廃棄物輸入禁止の影響と対策」ということで、
需要曲線と供給曲線のような、まだ他では話したことのない視点
も交えて、最近の業界の話、排出事業者としての注意点、今後の話、
グループの取り組みなどをご紹介します。

http://www.sophialaw.jp/info/info_190405_01.html

よかったら、ぜひご参加ください。
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