塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

蜘蛛を狩る者

2011年10月07日 | 徒然
  
 はや10月。今年も残すところ3か月となり、秋を通り越して早くも冬の気配すら感じられます。秋口より筆が遠のいてしまい、いつの間にかだいぶ更新が滞ってしまいました。一度手が止まってしまうと、なかなかエンジンがかからないものです。

 そんなわけで、しばらくはリハビリ(?)がてら簡単な話題をテンポよくアップしていければと思っています。まず今回は、夏の旅先で出会った蜘蛛にまつわる一コマについてです。なので、蜘蛛など虫が苦手な方はご覚悟下さい^^;

 まだ残暑の厳しかった先月、いつもの趣味の城跡めぐりでとあるお寺を訪れた時のこと。寺や神社のような、なかなか手入れの届きにくい建物では、近年の猛夏ではあっという間に蜘蛛の巣が張るので、常に正面斜め上を気にしながら歩いていました。すると、いくつもある女郎蜘蛛の巣の1つにアブのような虫が飛び寄り、そのまま巣にかかってしまいました。すかさず巣の主がカサカサと素早く近寄り、足で獲物を転がしながら頭を近づけました。アブはしばらくジタバタしていましたが、そのうちに動かなくなってしまいました。蜘蛛は毒を持っているといわれますが、何かしらの神経毒を注入されたのでしょうか。その時の写真がかなりきれいに撮れていますので、以下追記に載せます。苦手な方は引き返して下さい。


 

 

 
必死にシャッターきりまくった感じがアリアリですね^^;


 野山や寺社仏閣を歩き回る趣味の都合上、蜘蛛は有り余るほど見かけているのですが、その捕食を実際に見るのは実はこれが初めてでした。「おお~、こうやって食うのか~」と、誰もない寺の境内でひとり感動しながらシャッターをきっていました。

 その同じ日、また別の寺を訪れ、やはり頭上に注意しながら歩いていた時のこと。今度も立派な女郎蜘蛛の待ち構える巣に、1匹の虫が飛んできました。この虫は、どうも蜘蛛に気付いているようで、巣の周囲をうかがうようにしばらく周回していました。すると、やおら巣に向かって突進し、蜘蛛と取っ組み合いになりました。まもなく、2匹は一緒に絡まったまま、蜘蛛はお尻から糸を伸ばしつつ、ツーっと下に降りてきました。はじめは、獲物が暴れるので蜘蛛が巣からはじかれてしまったのだろうから、しばらくすれば蜘蛛が獲物を抱えて糸を手繰り寄せつつまた巣にもどっていくのだろうと思っていました。ところが、2匹は糸をゆっくり垂らしつつ、結局地面まで下りてしまいました。

 恐る恐る近寄ってみると、蜘蛛はひっくり返ってギブアップしているようで、傍らには蜂のような昆虫が蜘蛛を突っついていました。ここにきてようやく気付いたのですが、狩られていたのは実は蜘蛛の方だったというわけです。蜘蛛の天敵は蜂だということは知っていましたが、まさかその格闘シーンがみられるとは思ってもみませんでした。その勝者と敗者のようすを移したのが、次の一枚です。

 

 ちょっと小さいですが、原寸大の写真は結構迫力ありますヨ。それにしても、同じ日に蜘蛛が狩るシーンと狩られるシーンの両方に立ち会うとは、なんとも奇遇なこともあるものだとつくづく思いました。