一昨日6月3日で雲仙・普賢岳火砕流から22年。いまだに爪痕残る普賢岳の写真を載せましたが、せっかくなので被災地支援も兼ねて、島原半島の旅行記録をアップしようと思います。
島原半島というと、地図上では長崎よりももっと先というイメージですが、九州旅行の流れで行くと、長崎(というか諫早)から入るほかにもう1つルートがあります。熊本から船を使うというのがそれで、私の場合は逆に島原からカーフェリーで熊本入りしました。時間はだいたい1時間強、車込みでだいだい3000円ほどです。思った以上に近くて、甲板でずっとパンを与えていたおじさんについてきたカモメたちも、息切れすることなく熊本まで来てしまいました。
さて、島原半島のおすすめ…というか私が訪れたのは3ヶ所。島原と雲仙地獄と原城址です。まず原城址といえば、歴史の授業でおなじみの島原・天草一揆の舞台として知られています。当然ながら、城跡は一揆の記憶を消し、再発を防ぐために徹底的に破壊されており、「城春にして草木深し」そのままの状態となっています。
原城址の風景。奥にみえるは雲仙岳。
原城址の本丸跡には、白亜の天草四郎時貞像があります。この像は、長崎の平和公園の平和祈念像と同じ作者(北村西望氏)によるものだそうです。脇には四郎のお墓もあるのですが、仏式のお墓だったので、手を合わせてよいものか、それとも十字を切った方がよいのかちょっと悩みました。
天草四郎像
城跡には部分的に石垣が残っていますが、ご興味のある方はその上辺を見てみて下さい。どの石垣も上3分の1ほどが壊され、とくに角の部分が集中的に零されているのが分かると思います。これは、先に挙げた城の破壊(「破城」といいます)によるものなのですが、石垣の上辺や角に集中して壊すやり方は、天草の乱後の破城手法の特徴であるとして、近年城郭研究家のあいだで関心が高まっている旬なポイントだったりします^^;
次に、雲仙岳を登って雲仙地獄へ参ります。火砕流被害を受けた島原市側は山の東麓にあたり、雲仙地獄は山頂からみて西側にあります。当初は、「地獄」というネーミングにつられて行ってみただけだったのですが、着いてみてもうもうと白煙を上げる温泉街に大興奮しました。
雲仙地獄
地獄というと、別府や箱根の大涌谷なんかが有名ですが、私は個人的にこの雲仙地獄の方が好きです。大涌谷が(仕方ないとはいえ)遠くから眺めるタイプであるのに対し、こちらは地獄のど真ん中をあることができますし、綺麗に観光地化された別府の地獄めぐりと異なり、こちらはおどろおどろしくて荒々しい地獄らしさを味わうことができます。
駐車場や温泉街が地獄のすぐ脇にあり、あまり近すぎる駐車場に止められている車は、風が吹くたびに地獄の噴煙にまかれていました(あまり車体によくなさそうなのでそこには止めませんでした)。時間の関係で手湯しか入れませんでしたが、アツアツのとても良いお湯で、また機会を改めてぜひ訪れたいと思う温泉でした。
地獄と隣り合わせの雲仙温泉街
さて、最後に島原です。島原の観光スポットといえば島原城がまず挙げられますが、これ以上お城の話はみなさん満腹でしょうし、わざわざ私が書く必要もないと思いますのでここでは割愛です。
一応写真だけ…島原城
で、私が訪れて初めて知った島原の名物…それは「水」です。市内のあちこちに飲める湧水があり、私が見たなかには中学校の校庭脇に湧いているものもあり、部活の休憩に中学生たちががぶがぶと飲んでいきます。私も、池の滝と見間違うような武家屋敷の庭の湧水をペットボトルに詰めました。この武家屋敷群というのがまた島原の観光スポットで、土の道の両脇に屋敷が連なっているのですが、道の真ん中には清水が用水として流れています。
道の中央を川が流れる武家屋敷群
飲用の湧水が池を満たします。
そんな湧水を生かした島原のご当地スイーツが、私イチオシの「かんざらし」です。かんざらしは、もち米で作った白玉で、写真はありませんが見た目はまんま白玉です。もち米ですから、普通の白玉よりもしっとりとした弾力があり、蜜にとてもよくなじみます。これに、それぞれの店が自慢の自家製蜜をかけて味を競うのだそうで、私はまたしても時間の都合上1店でしか味わわなかったのですが、何店か食べ比べをするのはさぞ楽しかろうと思います。
その店で1袋購入して、先日自分でも練ってみました。普通の白玉も年に数回くらいは自分で作る程度に白玉好きなのですが、やはり「かんざらし」は美味しいです。ひょっとしたらもう普通の白玉では満足できなくなってしまうかもしれません…。そんな絶品かんざらし粉、今度できることならお取り寄せしてみようかなと思ったり。
ということで、歴史・温泉・食と、ひと通り島原のポイントをご紹介できたのではないかと思います。福岡からではちょっと遠いかもしれませんが、熊本・長崎からは1日あればふらっと寄れますので、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます