塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

上田・塩田・佐久~信濃の3平旅行~ :前編

2012年05月20日 | 旅行

 明日はいよいよ金環日食ですね。関東地方は薄雲越しに見られるだろうということですが、どうなることか楽しみです。

 さて、こんなときにちと古い話題なのですが、3月末に行ってきた信州旅行の話をアップします。3月末なので、まだ桜すら咲いてない頃のことです。信州といっても広いですが、今回訪れたのは上田平・塩田平・佐久平の3本です。

 上田平といえば、もちろんその中心地は上田です。真田氏が徳川家に2度にわたって辛酸を舐めさせた上田城で有名ですね。現在の上田城址は、大人のストレッチ向けの遊具まである公園があったり、堀底がけやき並木になっていたりと観光だけでなく市民の憩いの場として整備されています。とくに、何といっても堀端の桜並木が立派で、私が訪れた時はまだつぼみの付き始めでしたが、開花すればさぞ綺麗なことだろうと思います。

 
桜の木越しに見る上田城北櫓


 
堀底のけやき並木


 上田に来て忘れるべからずなのは、上田城と駅前の間あたりにあるみすず飴本舗です。みすず飴と聞いてピンとくる方がどれくらいいるか分かりませんが、そこいらのスーパーなんかでも割と売っているフルーツ味の寒天と羊羹とゼリーの合いの子のようなお菓子です。その本店が上田にあり、店舗は登録有形文化財のレトロな石造の建物です。ここではみすず飴以外にも様々な果物のジャム・ママレードや、ゼリー系の菓子も売っており、またそれらすべてを気前よく試食させてもらえます。上田へ来たなら寄ってみるべきでしょう。

 さて、上田から千曲川を渡って南西に向かうと塩田平が広がります。あまり聞きなれない呼び名かもしれませんが、塩田平は鎌倉時代には信濃国の守護所が置かれたところで、最近では「信州の鎌倉」と銘打って宣伝しています。塩田平で最も有名な観光地といえば別所温泉でしょう。真田の隠し湯などとも言われる古湯で、木曽義仲が愛人と一緒に入ったなどという伝説もあります。私も、この日は別所温泉に宿泊しました。その他にも、重文の三重塔をもつ前山寺や雨の少ない地域であるがゆえのため池群などの見どころがあります。

 
別所温泉北向観音の愛染カツラ


 そんななかでも、ぜひおすすめしたいのが無言館です。無言館は、太平洋戦争での戦没画学生の遺作を集めた美術館(というより資料館か)です。実は以前に一度訪れたことがあり、当ブログでも紹介したことがあります。展示内容はしばしば入れ替わるようで、ほとんどが前回見たものとは異なる作品でした。

 
無言館


 美術館とはいっても、画学生を中心とした発展途上の人たちの作品ですから、美術的価値というよりは資料的意味合いの強い展示といえます。展示内容を見ていると、こういった未来ある才能をあたら散らしてしまった戦争の愚かさを改めて考えさせられます。ひとつ前回訪れた時と異なって、以前は入場料が「お気持ち」だったのが、今回は一律1000円(大人)になっていました。

 さて、最後に、日程的には翌日のことになるのですが真田町に触れておきます。旧上田市のひとつ北東の町なのですが(現在は合併して同じ上田市内)、名前をみてお分かりの通り真田氏の発祥の地です。いわゆる真田ファンと呼ばれる人は全国に数多といるでしょうが、真田氏発祥の地が上田のすぐ隣にあるというのは、意外と知られていないのではないでしょうか。千曲川の支流神川の上流に位置する、山間のまさに隠れ里といった感じの町です。

 町の幹線道路から山の方へいささか斜面を登って行ったところに、真田氏の館跡があります。現在では、土塁と神社と資料館が建つだけのところなのですが、真田ファンというなら一度は訪れる必要があるところではないかとは思います。そんな私の印象とは裏腹に、世間では春休みだったというのに資料館で見かけた他の客は一組だけでした。
 
 もし車で来ていれば(というより車じゃないと真田町までは不便)、さらに山を登って真田本城跡へ行くことをお勧めします。普段居住するための(一応)平地の館に対して、有事の際に立て籠もるために築かれた山上の城です。山城ですが、城のすぐ付け根まで車道が伸びていて駐車スペースもあるので、訪れるのに何の苦もありません。城跡もかなり整備されていて、晴れていれば上田平から遠く北アルプスまで望めます。

 
真田本城からの景色
眼下に広がっているのが真田の里


 さて、余談ですが、上田市内の資料館や土産物店などでしばしばブロック玩具の立像を見かけました。巨大な上田城の城門とか真田幸村の甲冑とか。お土産用にも売っていて面白いと思ったので、武将シリーズの伊達政宗を買ってみました。で、後でわかったのですが、上田市のお隣の東御市には、かのレゴブロックと肩を並べるダイヤブロックの工場があるのだそうです。レゴはデンマークの企業で、ダイヤブロックは日本のカワダ(河田工業)という会社が生産しているのだとか。私も幼いころにはだいぶお世話になりました(笑)。で、完成したのがこちらです。

 
ダイヤブロック “伊達政宗”


 上田まで来て思わぬ収穫でした。これからは国産ブロックにもっと目を向けてみようかと思います^^