土曜日、友人につきあってもらって、日本橋クルーズのさくら周遊クルーズ(大横川60分コース)に乗った。大横川に面したアパートに住むようになって4年、桜の季節がめぐるたびに乗ってみたいと思っていたが、いちばん忙しい年度末/年度初で、なかなか実現しなかった。昨年は予約していたのに、新型コロナの影響で運航中止。今年は、そのリベンジのつもりで楽しみにしていた。
日本橋の南東の橋詰めにある乗船場からスタート。しばらくは高速道路の下を進む。
兜町で高速道路と分かれる(後ろを振り返った風景)。ちょっとおしゃれな白いビルディングは日証館(渋沢栄一邸・事務所跡地)である。
倉庫街の水路の護岸には、カモメとミヤコドリが群れていた。干潮で取り残された小魚などを食べるのだそうだ。大柄で脚とくちばしが黄色いのがカモメ、やや小柄で脚とくちばしが赤いのがミヤコドリ(ユリカモメ)と教えてもらった。ミヤコドリは、夏羽に変わると顔が黒くなり、やがてシベリアへ渡っていくそうだ。
船は隅田川へ。大型船や高速艇が運航しているので、その横波でけっこうボートが揺れる。永代橋の下をくぐり、佃島に向かってしばらく南下。
大島川水門から大横川に入る。桜の季節にしか通らない、レアなコースとのこと。
残念ながら、桜の盛りは過ぎてしまったが、いつも岸から見ている風景を水上から眺めるのは新鮮で面白かった。川岸の「ヤマタネ」が山種美術館の山崎種二氏の会社であることも初めて確認できた。大横川の水深が、このときで160cmくらいしかなく、干潮時は運航できないこともあるとか、桜は水面の反射光と温かさを知覚して川面に向かって枝を伸ばすらしいとか、解説のおじさんが物知りで楽しかった。
木場のギャザリア近く、大横川が平久川と交わる水路の交差点でUターン。同じコースを戻る。最後に「今日は特別」に、日本橋の下を東から西へくぐり、もう一度、西から東へくぐって、乗船場に着岸した。この日、4月3日は、1911年(明治44年)日本橋が木橋から現在の石橋に架け替えられ、開通式が行われた記念日なのである。そして驚いたのは、南西側のアーチの石が、黒ずんでぼろぼろであること。実は、関東大震災のとき、燃える船がぶつかって焼け焦げた跡なのだそうだ。衝撃。
とても楽しかったので、久しぶりにフォトチャンネルもつくってみた。次回は、神田川クルーズも乗ってみたい。東京湾クルーズも。