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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2007博物館に初もうで/東京国立博物館

2007-01-15 00:26:51 | 行ったもの(美術館・見仏)
○東京国立博物館 新春企画『博物館に初もうで』

http://www.tnm.jp/jp/

 特別展『悠久の美-中国国家博物館名品展』を見たあとは、ぐるりと常設展を見てまわった。

 今年も特別1室・2室では、干支にちなんだ特別展示が行われていた。イノシシといえば、思い出すのは森徹山の『和合図』くらいかなーと思っていたら、ほんとにあったので嬉しかった。以前、見たのは大倉集古館だったかな。個人蔵だそうだ。あとは切支丹銅版画を持ち出すやら、十二神将の亥神やら、数を揃えるために、だいぶ苦心したのではないかと思われた。関連展示で、ちょっと面白かったのは、将棋の駒のかたちをした歌かるた。百人一首かと思いきや、どうも全て万葉集の歌らしかった。

 国宝室では長谷川等伯の『松林図屏風』を公開中である。昨年も同じ時期に公開されたが、東博のホームページのTOPに「松林図公開」という宣伝が掲載された効果か、ものすごく観客が多かった。今年は、幸い、ひっそりと公開中である。土曜日、私が行ったときは、展示室内に3人ほどの観客しかいなかった。足を止めずに通り過ぎていく人も多いので、誰にも邪魔されず、画面全体を視野に入れることができる可能性はかなり高い(昨年は全く無理だった!)。どうか、このまま静かにしておいて...と祈りたい。私はあまり歩きながら音楽を聴かないのだが、何かBGMを聴きながら、ゆっくり眺めたい作品である。
 
 「屏風と襖絵」の展示室には、池大雅筆『楼閣山水図屏風』(国宝)が出ているが、私は、その真向かいの『松図屏風』に惹かれてしまった。金地に緑の松を描いたものだが、松の幹がほとんど金地に埋もれているので、寸足らずのキノコが並んでいるように見える。ヘンな作品だなあと思ったら、「対青軒」というのは、宗達の印章だそうだ。そういえば、平家納経の装丁でも、宗達はこんな松を描いていたような気がする。

 それから東洋館で、中国の書画を見る。絵画では、伝馬麟筆『梅花双雀図』(南宋時代・重文)が正月のご祝儀というところだろうか。書の特集陳列『抵抗と恭順-明末清初の書人たち-』は、背景となった世相を考えると気が重くなるので、激しい連綿草(れんめんそう)を傍観的に楽しむのが、正月気分にはちょうどいい。

■参考:昨年(2006年)の『博物館に初もうで』見学記
http://blog.goo.ne.jp/jchz/d/20060107
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