○東大史料編纂所の国宝・重文名品展(第34回史料展覧会)
ちょっと旧聞に属するが、書いておく。11月18日、19日の両日、行われた史料展覧会である。第34回というのだから、毎年行われているのだろうと思うのだが、これまで訪ねる機会がなかった。初めての参観である。
すごい。ほとんど文書ばかりで、視覚的には地味なのだが、会議室を利用した仮仮設の展示場に、国宝・重文がゴロゴロ並んでいる。足利高氏(尊氏)書状、高師直書状、後村上天皇綸旨など、最近、太平記~南北朝の時代に親近感のある私にはうれしかった。
もっと古いところでは「義経」の時代、源頼朝や源範頼(蒲冠者)の下し文がある。戦国武者好きなら、武田勝頼判物に目を留めるかな。江戸ものでは、儒学を以って江戸幕府に仕えた林家の関係資料。朝鮮通信使と贈答しあった詩文、揮毫がおもしろいと思った。大奥女中の連署状なんてのもある。こうして見ると、点数は多くないが、各時代のバランスが、念入りに考えられていることが分かる。
素人の目を引くのは、島津家文書のうちの江戸大地震之図。安政2年の大地震前後の情景を彩色で描いたものだが、黒こげの死体のそばで、もう営業を始めている饂飩屋(?)とか、リアルである。
(11月27日記)
ちょっと旧聞に属するが、書いておく。11月18日、19日の両日、行われた史料展覧会である。第34回というのだから、毎年行われているのだろうと思うのだが、これまで訪ねる機会がなかった。初めての参観である。
すごい。ほとんど文書ばかりで、視覚的には地味なのだが、会議室を利用した仮仮設の展示場に、国宝・重文がゴロゴロ並んでいる。足利高氏(尊氏)書状、高師直書状、後村上天皇綸旨など、最近、太平記~南北朝の時代に親近感のある私にはうれしかった。
もっと古いところでは「義経」の時代、源頼朝や源範頼(蒲冠者)の下し文がある。戦国武者好きなら、武田勝頼判物に目を留めるかな。江戸ものでは、儒学を以って江戸幕府に仕えた林家の関係資料。朝鮮通信使と贈答しあった詩文、揮毫がおもしろいと思った。大奥女中の連署状なんてのもある。こうして見ると、点数は多くないが、各時代のバランスが、念入りに考えられていることが分かる。
素人の目を引くのは、島津家文書のうちの江戸大地震之図。安政2年の大地震前後の情景を彩色で描いたものだが、黒こげの死体のそばで、もう営業を始めている饂飩屋(?)とか、リアルである。
(11月27日記)