去る3月の初旬、あまりの音の良さに「刻印付き」(1940年代製造)の「2A3」真空管を東京のオーディオショップ「〇〇堂」さんから3ペア(6本)購入したことをブログで記しておいた。
そのうちの4本(残る2本はスペア)をそれぞれ2本づつ、JBLの375ドライバー用の「2A3・2号機」に、「AXIOM80」(自作エンクロージャー)用の「2A3・1号機」に使用していたところ、1か月が過ぎたあたりから「375」の左チャンネルからノイズが発生しだした。それも、言葉ではとても表現しようのないようなノイズ。
それがおかしいことに、日によって出たり、出なかったりで常時発生するのではないので始末が悪い。音声信号の流れに沿って上流からバッファーアンプの球「6SL7」、プリアンプの球「6DJ8=6922」、パワーアンプの初段管「6SL7」と順次つぶして(左右入れ替えて)いったところ、ようやく最後の出力管に原因があることをつきとめた。
安価なミニチュア管ではなくて一番高価な出力管に原因があったことにガックリ。それにしてもまだ使用してからたった1か月あまり、あまりにも早い故障にどうも納得がいかない。
とはいえ、およそ70年前の製品、そしてヨーロッパ系の真空管は「音はいいが耐久性に一抹の不安がある」との噂はちゃんと耳に届いている。
真空管は消耗品だし、1か月も経っているしと、半ばあきらめ気味にダメ元を承知で購入した「〇〇堂」さんに次のようなメールを送ってみた。
「1か月ほど前に、〇〇の2A3真空管を3ペア購入した別府市の〇〇です。じつは、新品同様品として購入した中の1本が、使っていますと途中でノイズが発生します。一旦、アンプのスイッチを切って、再度スイッチを入れるとノイズが収まります。
しかし、また時間が経過しますと不定期にノイズが出ます。使用時間もほとんどごく短時間ですので当初からの不良品だと思います。この1本だけ交換とはいきませんでしょうか。銘柄の〇〇が無ければ、ほかの同等品の2A3でもいいのですが。ご返事お待ちします。」
すると、すぐに次のようなメールが返ってきた。
「いつもお世話になっています。〇〇堂の〇〇です。ご連絡いただき、ありがとうございます。当方では、チューブチェッカーのみの動作確認で販売しています。実用機に差してのチェックはしていません。(他のところでも同じだと思いますが・・・)
しかし、〇〇様には3ペアもの2A3をご購入いただいていますので、今回のみ、ノイズが出ている1本だけ交換させていただきます。〇〇以外のメーカーでも良いとのことですので、十分に良いものを選んで発送します。品物が着きましたら、動作確認をされ、これで良いというのであれば、不良品の真空管をご返送ください。今後とも宜しくお願いします。」
いやあ、チャレンジはしてみるもので思わぬ朗報にニッコリ。さっそく同じ「刻印付き2A3」を愛用されており、この〇〇堂さんを紹介してくれたオーディオ仲間のKさん(福岡)にご注進。
すると、「それは普通ではとても出来ない相談ですよ~。〇〇堂さんはお客さんをとても大事にするところのようですね。都内でもお客さんとの息の長い取引が多いときいてます。」
これを踏まえて次のメールを発信。
そして、20日(日)の午前中に代替品の真空管が無事到着。ところが、その間別のアンプに挿していた刻印付きの該当真空管の(故障の)症状がいっさい見受けられないのである。どうやらアンプとの相性があるようだ。
そこで、とうとう次の様なメールを出す羽目になってしまった。
ヤレ、ヤレ、とうとう余分な出費となってしまった。はたして結果的に良かったのかどうか、今でも思案中「?」(笑)