☆ 政治とカネ
周知のとおり、このほど「みんなの党」の渡辺代表に政治資金疑惑が発生した。
都内の某化粧品会社の社長から無担保で8億円借金しておきながら、それを政治資金報告書に記載していなかったというもので、貸した側も借りた側も両方認めているので事実に間違いはないようだ。
渡辺代表は個人的に借りたお金であり、政治資金ではないとのことだが、借りた時期が衆議院選挙や参議院選挙の直前ということもあり、そういう言い訳はとても通用しそうにないし、貸した側もこれは選挙資金と明確に断言している。
いったい、そういう途方もない大金をどこにどう使ったのだろうか。
派閥の親分ともなると子分の代議士たちに配るお金を工面するのがたいへんで、しかもお金の切れ目が縁の切れ目になるケースも多いと聞く。つまり、「みんなの党」に所属する代議士たちに選挙に際して「がんばれよ!」と配った可能性が非常に大きい。
以前、このブログで取り上げたが、霞が関の現役官僚が覆面で書いたとされる「原発 ホワイトアウト」の中で、昨今2世代議士たちが多くなったとあり、それには功罪あるけれども、お金の心配をしなくていいので政策に没頭できる利点があると書いてあった。
「成る程!」と思ったが、いったい政治になぜそんなにお金がかかるんだろうか?
何度も書くようだが「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちるとただの人」という言葉がある。厳しい選挙に勝ち抜いてようやく「代議士=先生」になったものの、次回の選挙でもしかして落選するかもしれないという恐怖感は余人にはとうてい計り難く、おそらく想像を絶するものがあるだろう。
したがって、国策よりもむしろ地元対策に余念がないのは容易に想像できるし、そのためには先立つものが要るというわけだが、「具体的なお金の使い道となると、いったい何だろう」というわけでネットでググってみるとこういう事例があった。
「2009年度・現世田谷区長保坂展人氏の後援会の収支報告書では、約2886万の支出。事務所費約702万・宣伝事業費約614万・人件費約521万・パーティー開催事業費約321万…ポスターやチラシを作るのも、パーティーで金を集めるのも、カネ・カネ・カネなんです。マスコミにたびたび登場する保坂氏でコレなので、無名の新人を多数立候補させ、自分の派閥(グループ)に入れようとしたら、億単位の銭…それが現実です。」
現在、代議士については必要な経費の一部をたしか国が負担しているはずだが、それではとうてい足りないのだろう。そこで経費の節約という言葉が浮かんでくるが、そんなことを言ってみても、貧乏ったらしい代議士に国民の夢と希望を託すのは現実的ではないし無茶というもの。
ここはひとつ、せっかく代表として選ばれた代議士さんたちだから純粋に国策に打ち込めるような環境整備をしてあげるのが一番だと思う。
そこで提案。
国が経費を現在の2倍負担する代わりに、代議士の定数を半分にしたらどうだろうか。もし、それがダメなら有害無益な参議院をいっそのこと廃止したらいいと思うがどうだろうか。ちょっと短絡的かな~(笑)。
☆ 「天敵の存在」
4月5日(土)にお客さんたちが来るので、せめてオーディオ・ルームぐらい綺麗にしておこうと、このところ整理整頓に余念がない。古いスクラップブックにも1頁づつ目を通して要・不要を振り分けているが、いちいち中身を読むものだから時間がかかってしようがない。そのうち、つい興味を引かれたものが出てきたので紹介させてもらおう。
およそ4年前の2010年の4月19日付で地元紙に掲載されていたものでタイトルは「”のほほん天国”日本」。寄稿者は「丹羽 宇一郎」氏(前中国大使)。
「このほど米国の首都ワシントンとニューヨークを訪問してきた。もっぱら学者と政治家にあったが、その時に話したのが、ナマコとカニをめぐる次のような日本の言い伝えだ。
ナマコは弱りやすく漁師が沖合で捕っても港へ着くまでにほとんど死んでしまうが、そのナマコの群れの中にカニを1匹入れておくと、生きたまま持ち帰れるという。なぜか。カニはナマコの天敵に当たり、緊張するため死なないといわれている。科学的にはナマコの天敵はカニではないようだが、“何事も新鮮であり続けるためには天敵が必要”とのたとえ話として彼らに紹介した。」
この話の流れは、ソ連の崩壊とともに資本主義へのチェック機能が働かなくなり、リーマンショックをはじめとする金融危機などの暴走が始まったことにあるのだが、これを現代の日本になぞらえると「天敵=カニ」に当たるのは中国と韓国ではあるまいか。
近年、歴史認識についてこれら両国の国際的な口撃は実にしつこくて目に余るものがある。
「戦争は狂気なんだから」の一言で片付けるのは不謹慎だろうが、それにしてもまったく「厄介な隣人だ!」と、心理的にくたびれているのははたして自分だけだろうか。
もちろんこんな大それたことを“一介の市井の徒”が何も心配することはないと思うが一日本人として小さな胸を痛めているのも事実。多少なりとも愛国心がある人なら誰だってそうだと思う。
しかし、モノは考えようでこれら「天敵」のおかげで日本は絶え間ない緊張感のもとでモチベーションが維持できるとしたら、(天敵の存在は)かえっていいことなのかもしれないと上記の丹羽さんの寄稿を読んで思った次第。
次に、この話を身の回りのレベルに降ろしてみよう。
組織で仕事をしたことのある人ならお分かりのとおり、中間管理職というものは上役と部下の板挟みになる厄介なポストだが、不思議なことに両方に恵まれることはまずない。人事異動のたびに経験したが、何かしら歯が合わずムシの好かない輩が上役や部下のうちのどちらかに必ず居るものである。
しかし、振り返ってみるとたいして偉くもならなかったが、気の緩みから大きなポカをしなくて済んだのもそういう連中のおかげだったのかもしれないと思う今日この頃。
したがって、もし組織の中で現在働いている方で周囲に「天敵」がいるとするなら、ここはひとつ前向きに考えることも一つの方法ですよ。もちろん“度が過ぎる天敵”ともなると別問題でしょうが。
たしか司馬遼太郎さんの「翔ぶが如く」だったと思うが鹿児島の方言で「泣こかい、飛ぼかい、泣くよかひっ飛べ」という言葉が出てくる。要するに「捨て身で生きろ」ということだが、人生にはそういう覚悟が必要なときもあるでしょう。
アッ、そういえば我が家にも“度が過ぎる天敵”がいた!おかげさまで緊張と闘争の毎日が続いて、いつもフレッシュ状態です(笑)。
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