先般、「蟹江敬三」という役者さんが病気で亡くなった。まだ60代なのでちょっと“お迎え”が早過ぎる!合掌。
どちらかといえば貴重な“バイプレイヤー”として活躍しており、“ああそういえば”とご存知の方もいることだろう。
先日のテレビの特集で生前の面影を放映していたので何の気なしに観ていたところ、ご本人が次のようなことを仰っていた。
「小さい頃からそれはもう内気で人前に出ることはおろか、友達との会話もままならないくらいでした。ところが小学校の学芸会のときに無理矢理、主役をやらされて仕方なく演じたところ、大勢の人から一身に注目を浴びる感覚がこんなに快感をもたらすものかと急に目覚めてしまいました。これが役者になった動機です。」
いやあ、実にうらやましい!
どうやら人間には二つのタイプがあるように思う。人の注目を浴びるのがとても快感な人と、それが苦手な人。もちろん自分は後者である。シャイな性格なので少なくとも「スポットライト」を浴びて張り切るタイプではない。
はたしてどちらが長い人生で得をするか、それはもう言わずもがなだろう(笑)。
前者には、特徴として上昇志向が強いという側面があるが、これは生きていくうえで欠かせないエネルギーである。職業でいえば政治家、芸能人、マスメディアに携わる人たちなどがストレートに該当しそうだが、大なり小なりいろんな組織や職業でも似たようなタイプがいる(笑)。
先日、県立図書館で大学時代の同じ専攻科の1年先輩に偶然お会いしたのでひとしきり旧職場の知人たちの噂話をしたが、退職後に厳しい選挙戦を経て地方自治体の首長になった人たちが数人いる。
「そういえば(そういう人たちは)在職中からとても上昇志向が強かったなあ、それにひきかえ俺たちは・・・」なんて二人で笑い合ったことだった。
ただし、先輩の前では口にしなかったが内心では「せっかくリタイアしたのに何をすき好んで、忙しいことに手を染めるんだろう。ようやく手にした自由な時間で好きなことに没頭できるのに何とももったいない限り。いい歳をして今さら地位も名誉も“お金”も要るまいに。」というのが本音。
もっとも、「元気なうちにもっと世の中のお役に立ちたい」という純粋な動機があるやもしれず、もしそうなら“その意気や壮とすべし”で、いちがいには否定できないが。
さて、このまま何ら脚光を浴びることもなく、そしてさしたる業績を刻むことなく、人の記憶に残らないまま自然消滅していくのが分かりきったような人生も、よく考えてみると何だか虚しくないこともない。
アッ、そういえばブログがある!
始めてから8年余り、投稿した記事の数も今や1154件に上る。幸いなことにおかげさまで応募している3つのランキングもいずれも上位にあって、同時に1位になったことが3度ほどある。アクセス数だってかなりいい線をいっているし、これらはもしかして永遠ともいえる足跡をネット上に刻むのではあるまいか。
このことを我が家の「猛虎=寅年生まれの雌」にうっかり口を滑らしたところ、ひどい目にあってしまった。
ちなみにこの人は我がブログにはいっさい目を通さないし、また、娘も母親似のためか人の注目を浴びるのが大好きで上昇志向が強いタイプ!
「な~にがですか!顔の見えない、しかも一銭の得にもならないブログなんてそんなものは当てになりません。試しに1か月ぐらい無投稿を続けてごらんなさい。誰も見る人がいなくなってすぐに忘却の彼方にいってしまいます!」
いやあ、ごもっとも!(笑)