つい先日のこと、とあるネット記事に大いに興味をそそられたので記録に残しておくとしよう。
御覧になった方も多いと思うが・・、
「近年、脳への音刺激を認知症予防や脳機能の改善に役立てる研究が進められている。なかでも注目されている音が「40Hz周期の音(1秒間に40回振動する音刺激)」。
アルツハイマー型認知症の病態を再現したマウスに、この音を聴かせると、脳内の聴覚野と海馬にガンマ波が発生。
すると、認知症の原因といわれている脳内の「アミロイドβタンパク質」の有意な減少が確認された(*)米国マサチューセッツ工科大学の研究チーム 出典:Nature,2016 Dec 7;540(7632):230-235.)。
これまでは、40Hzのパルス音を長時間聴き続けると負担も大きかったが、テレビなどの日常生活音を40Hz周期の変調音で出力する技術も開発されている。40Hz周期の音刺激を自然な形で聴きながら、認知症のケアができるようになるかもしれない。」
以上のような記事だが、認知症といえば12年前に94歳で亡くなった母のことをつい思いだす。
比較的しっかりした母だったが、最期を迎えるまでの5年間ぐらいは悲しいことに認知症だった。それはもう本人も周囲も悲惨の一言だったのでとても他人事だとは思えない。
認知症が遺伝するという学説はないようだが、やはりそれなりに用心しないと・・、したがって予防対策のノウハウや対症薬の開発には日頃から殊のほか注目している。
で、前述の説のように40ヘルツの低音を耳にしながら認知症のケアができるなんて、これはオーディオマニアにとって「趣味と実益」を兼ねた二重奏みたいなもので耳寄りのニュースといっていい。
さて「40ヘルツの低音」・・。
以下、偉そうに述べる資格を持ち合わせていないので、あくまでも「私見」ということを先ずお断りしておこう。
人間の可聴帯域は周知のとおり「20~2万ヘルツ」とされているが、40ヘルツという「かなりの低音」を出せるシステムの割合はどのくらいかという話。
おそらく「二つのシステムに一つくらい」の5割程度じゃないかな~。ちなみに我が家の「AXIOM80」の場合、単独では到底無理である。
そして、これが30ヘルツあたりまでになると、ぐっと下がって「五つに一つ」の2割程度になり、さらには20ヘルツとなると「百に一つ」の1%ぐらいになるというのが自分の大まかな見立てである。
つまり、満足できる高音域を出すよりも十全な低音域を出す方がはるかに難しい、それはいわば「血(お金)と汗と涙」に如実に比例するというのが、50年以上にわたる拙い経験の偽らざる感想である。
ちなみに、我が家のウェストミンスターの低音はせいぜい30ヘルツあたりまで伸びていれば上出来という感じ、かな~。
で、「チャットGPT」に「40ヘルツと認知症」で打ち込んでみたところ、次の回答が提示された。
「認知症と40ヘルツの低音の関係については、現時点では十分な科学的な証拠がありません。認知症は脳の機能の低下によって特徴付けられる疾患であり、主に高齢者に見られます。
一方、40ヘルツの低音は音の周波数の一種ですが、その特定の周波数が認知症との直接的な関連があるかどうかは明確ではありません。
ただし、音楽療法や音の利用が認知症の症状の管理に役立つことが研究されています。音楽や特定の音の刺激は、認知症の患者の気分や行動に影響を与えることがあります。例えば、特定の音楽や音のパターンは、リラックス効果をもたらしたり、集中力を高めたりすることが報告されています。
ただし、個々の人によって反応は異なるため、40ヘルツの低音がすべての認知症患者に同じ効果をもたらすとは言えません。認知症の治療やケアに関しては、医師や専門家の助言に従うことが重要です。」
どうやら冒頭の学説は最新のものとみえて、「チャットGPT」には反映されていない模様。
いずれにしても、少しでも認知症予防に可能性があるとすれば「40ヘルツ」に挑戦するしかない。
で、当然のごとく「ウェストミンスター」(改:ハイカット100ヘルツあたり)の出番となり、もちろん音楽ソースによって大きく左右されるが、大規模な編成による「シンフォニー」あたりは絶好の素材だろう。
さっそくマーラーの「4番」「大地の歌」、ドボルザークの「新世界より」などを、盛大にドド~ンと低音を出して心地よく聴きふけっていたところ、
たまたま土曜日だったので隣の部屋で「巨人 VS 日ハム」戦を熱心に観戦中だった家人(大の巨人ファン)が柳眉を逆立てて怒鳴り込んできた。
「もう~、うるさいんだから・・、もっと小さな音にしてっ!」
やっぱり「縁なき衆生(しゅじょう)」だね、この人は・・(笑)。