日常生活を楽しむうえで「オーディオと読書」は車の両輪みたいな存在だが、前者には不断の努力が必要なので「ああでもない、こうでもない」と能動的に取り組んでいるものの、後者となると完全に受け身である。
つまり、図書館に行き新刊コーナーで物色する程度で、まったくの受け身の「運任せ」~。
それはそれで何ら疑問を持たなかったが、このほど借りてきた本を読んでいると実に参考になることが書いてあった。
著者は朝日新聞の編集委員さん・・。この新聞社は嫌いだが(理由はお分かりのとおり)、政治色を抜きにするとそうも言ってられないかな(笑)。
ポイントを抜き書きしておこう。
☆ 誰でも目指せる百冊読書家
図書館派にとっては耳の痛いことが書いてある。以下のとおり・・。
「本はある程度は買うものだと思う。買って、手元に置いておく。読んで終わり、という読書は少しさびしい。
人間と付き合うようにして本とは付き合いたい。いつでも手に取り、ページをめくる。背表紙を眺めているだけでもいい。恋人や家族、友人のように、本には必ずそばにいてもらいたい。
本棚が人格を作る。本棚の背表紙というのはその人の脳を見せているようなものだ。その人の美的センスの現れでもある。深みのある本棚を最初に作ってしまえば、その人はいずれ深い人間になる。
そこで、誰でも目指せる百冊の本棚を作ろう。中身を入れ替え制でどんどん立派なものにしていく。そういうイメージ。
☆ 最寄りの図書館を使い、新聞の書評を利用する
本棚が人格を作るのはたしかだが、それだけでは満足できない。新刊本、話題本、ベストセラーもたまには自己啓発本やタレント本だって、本は浴びるように読みたい。それにはどうしたらいいか。
武器は二つ、新聞書評と最寄りの図書館だ。
なぜ新聞書評か。わたしは新聞記者として読書面の編集にも携わった。だから知っている。新聞の読書面にかける時間とカネはやや異常だ。ものすごく贅沢に作っている。
その模様となると・・、
大型書店に記者が二人がかりで赴き、何時間もかけて選別する、そして出版社から贈呈された献本数百冊と合わせて記者数人でチェックして百冊あまりに絞り込む。
これを委嘱した作家や評論家などの「目利き」で構成する「書評委員会」にかける。委員は手分けして一人につき数冊ずつ持ち帰る。
そして2週間後に再び集まり、会議で報告し全体討議に掛ける。
このように時間もカネも人手もかけて作られているのが新聞の読書面だ。
これを利用しない手はない。
で、最寄りの図書館に行き、あえて1年前あたりの「縮刷版」を読みながら、興味を持った書評をコピーする。
1年前というのは意味があって、時間が経っているぶん、評価がしやすい、当時はホットなトピックだったが、時を経てみるとすぐに陳腐化した、そういう書籍も多い。
そして、こちらの方が重要だが、図書館で借りやすいのだ。1年後となると予約待ちが減っている可能性が高い。」
なるほど・・。
上記以外にも読書好きにとってはたまらないことがいっぱい書いてあるし、何よりも著者の本に対する情熱と愛情に圧倒される思いがする。
多言は無用・・・、この本買って本棚に飾っておこうかな~(笑)。
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