「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「ツィーター」の出番がやってきた~

2012年01月24日 | オーディオ談義

「出来の悪い子供ほど可愛い」という言葉があるが、オーディオ装置も似たようなところがあって、手がかかれば、かかるほど可愛くなるところがある。

現在、第二システムとして位置付けているJBLのユニット群がまさしくそういう存在。

タンノイのボックスにJBLのユニットを収めているので、本家筋はタンノイのユニットにあたり、JBLは分家筋になるので当初から不憫な役回りなのもその理由のひとつ。

改めて、システムの概要を紹介しておくと、現在、クロスを1000ヘルツ前後に設定して中低域ユニットを「D130」(口径38cm)、高域ユニットを「LE85ドライバー+ウッドホーン」の2ウェイシステム(D130のボックスはタンノイ・ウェストミンスター)のラインアップ。

既製品と違って自分勝手に編成したシステムなので愛着もひとしおで、未開拓地を耕すような気分にさせられ、今のところいい遊び相手になっている。

つい先日の21日(土)の午前中も、(オーディオの)お師匠さんの湯布院のAさんと一緒に「LE85ドライバー」を駆動している「WE300Bアンプ(モノ×2)」の真空管の入れ替え実験をやってみた。

            

試聴する曲目は最近、お気に入りのモーツァルト「ファゴット協奏曲第二楽章」。ちなみに「ファゴット」という楽器は木管楽器の一つだが、「ウィキペディア」にこう但し書きがあった。

「ファゴット」は英語圏では「バスーン」と呼ばれており、もし「ファゴット」と発音してしまうと、同性愛者の侮蔑的呼称「オカマ」を意味するので十分に注意しなければならない。


さて、実験の対象となった出力管は正真正銘の「WE300B」(1950年代製造)と「GD4300BC」(ゴールデンドラゴン)の2種類。

後者は言わずと知れた中国製の近代管で値段からすると前者の1/5以下なので、はじめから勝負は見えているようなものだが、ところがどっこい、「オーディオは値段ではありませんよ」と言わんばかりに、そうは問屋が卸さなかったのが(オーディオの)面白いところ。

高域方向への抜けはWE300Bの方に分があったが、中域あたりの解像力はGD4300BCの方がむしろ上回っていて、「私は総合力ではGD4300BCの方が好きです。我が家のWE300Bのスペアとして欲しくなりました」とAさん。

もちろん、我が家の周辺機器の使用する範囲で相性が良かったということに過ぎないし、GD4300BCのエージングが完全に済んでいるという条件下の話なのでどちらが優れているとかいう断定は厳禁だが、「カーボン・プレートと金メッキ端子」の装備は伊達ではないようで、この善戦ぶりには思わず頬の筋肉が緩んでしまった。

実を言うと、今回の実験の背景にはWE300Bの寿命は定数以下で余裕をもって使ってやると30年近く持つという実話が存在しており、自分のこれからの寿命となると、とてもそれほどまでには保てないので、今回の実験を通じてこれまで(大事にするあまり)ほとんど使ってこなかったWE300Bが圧倒的に上回れば、これからずっと使ってやろうと思っていたというわけ。

これでGD4300BCの寿命が尽きるまで精一杯使って、それからWE300Bを使うことに決めた。

とにかくこれで実験は一段落、今度は第一システムの「Axiom80」の試聴に移った。試聴曲目は引き続き「ファゴット協奏曲」。

「ファゴットが音響空間をゆったり漂っているように聴こえてきます、まったくオーディオを意識させない自然な音です。何か、聴いてはいけないものを聴いてしまいましたね~。これに比べるとJBLは残念ですがちょっと落ちます・・・・」とAさん。

どこをどう押してもJBLのユニットからはこういう「漂う感じ」は出てこない気がするが、ジャズなどのメリハリのきいたストレートな再生は得意中の得意なので、何とかこの分野に活路を見い出してやりたいものだ。

我が子の不得意科目を時間をかけて克服するよりも、むしろ得意分野をさらに伸ばしてやった方が総合得点は上がる!

結局、第一システムのお蔭でJBLシステムのアラがもろに見えてきたというわけだが、結論としては「高域の伸びにちょっと問題あり」ということに落ち着いた。こうなると、いよいよ「ツィーター」の出番となる。

一晩おいて、ゆっくり作戦をめぐらして翌22日(日)の早朝から作業に取り掛かった。

このところ、ずっと待機中の悲哀を味わっていた「JBL075(ステンレス製のリングホーン装備)」さんに専用アンプとして「2A3」真空管のシングル・アンプをもってきて、クロス周波数はウェスタン製のオイル・コンデンサー(ブラック仕様:2.1μF)で9500ヘルツ付近(6db/oct)でカット。

当初、「075」をウッドホーンの上に直接、載せたところあまりの重量のせいかLE85の響きが素っ気なくなったので、近くのホームセンターに行って木材を見繕って専用の台を作りその上に075を載せることにした。

         

「LE85」と「075」のレベル調整にちょっと手間取ったが、どうやら午前中に完了。

午後からテストCDで低域、中域、高域の位相チェックをしたところいずれもOKでバッチリ聴けるようになったが改めてツィーターの威力には驚いた。

音楽全体が非常に瑞々しくなってさらにレベルアップした感がある。

結局、システム全体をもう一度おさらいすると低域は「D130」(アンプは「01-A」)、中域は「LE85」(アンプは「300B」)、高域は「075」(アンプは「2A3」)とオールJBLの3ウェイ・マルチ・システムが完成。

一見ありふれた組み合わせのようだが肝心の低域用ボックスがタンノイだから、こういう組み合わせはおそらく世界でも珍しいことだろう。

問題は「音」のほうだが、「親バカ」ぶりはほどほどにして、いろんなソースを聴いてみて判断するつもりだが今のところ非の打ちどころなし。


 

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