「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

惚れ直したスピーカー

2022年02月02日 | オーディオ談義

つい先日、投稿した「オーディオ愛好家は日頃からいい音で聴いてはいけない」は、ありがたいことに予想外の好評を博した。

その証拠に、投稿から3日経っても次のようなアクセス状況に。



「仏教徒は
他の宗教に比べて自分に甘過ぎる」ことに共感が寄せられたと勝手に解釈させてもらおう。

で、そのことを身を以って実践するため、3日間ほどぶっ続けで聴いた「AXIOM80」(オリジナル版)に代えて、やや落ちる別のSPで聴くことにした(笑)。

さて、どのSPにしようか・・。

グッドマン「トライアクショム」、JBL「D123+075」、リチャードアレン「NG8」、ワーフェデール「スーパー10」(赤帯マグネット)と、より取り見取りだが、久しぶりに「PL100」(英国:モニターオーディオ)を聴いてみる気になった。



4か月ほど前に「清水寺の舞台から飛び降りる」思いで購入したSPだが、当初は熱中したものの、その後の3か月間は空白が生じた。なぜだかは自分でもわからない(笑)。

音楽&オーディオはどちらかといえば感覚の世界だから言葉で説明できないことの方が多い。

それはさておき、4か月前とはオーディオ環境が変わったので「PL100」の印象がどう変わるかが楽しみ。

一番の変化は「プリアンプ」の球を代えたことにある。

我が家の3台のプリアンプのうち一番重量級の「安井式」プリにはお馴染みの「12AU7」が4本使ってあるが、ややおとなし過ぎて物足りなかったのでそのうちの2本をμ(ミュー=増幅度)が2倍ほどある「Y球」に代えてから毎日がルンルン気分だがはたして「PL100」に通用するかどうか。

ただし、このSPの場合一番のネックは起用するパワーアンプにある。

何しろ「低インピーダンス=4Ω」「低能率=88db」の持ち主である。

周知のとおりオームの法則「電圧(V)=抵抗(Ω)×電流(A)」により、家庭内電圧は一定の100Vだから、抵抗が低いほど大きな電流が必要となる。

ちなみに「AXIOM80」は「15Ω」「95db前後」だから、鳴らしやすさにかけては「PL100」の比ではなく、真空管アンプで十分対処できる。

つまり「PL100]は「TRアンプ」で鳴らすことを前提にしているSPといえるが、「無理を承知」でパワーの面で劣る真空管アンプで鳴らそうというのだから厳しい局面だ。

まず、はじめから小出力の「71系」が使えないのは痛い。

結局、鳴らす資格がありそうなのは「WE300B」「PX25」「2A3」「6AR6」(3極管接続)の4台となる。

で、このところ出番が少ない「2A3シングル」アンプの起用へと踏み切った。

この2A3球は定評のある「VISSEAUX」(フランス製:刻印)を使っているが、結果的にはこれが大当たり~(笑)。



「音源」が小さいせいか、音響空間上の「音の佇まい」がとてもいい。

実にさりげなく、それでいて奥行きが深くて密度の高い音・・。

さらに、両方のスピーカーの間に(聴感上の)ステージ(舞台)を作ることが出来ることを確認した。音像定位が乱れているとこうはいかない。それに小型の割には低音域もよく伸びている。

「ブルーレイ」のリモコンで「エンヤ」「ちあきなおみ」、「小椋佳」などを次から次に聴いて、小型SPの特質である引き締まった「歌手の口元」を堪能してから、いよいよ真打のモーツァルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364」に移った。

第一印象は、弦楽器のハモリ具合がたいへん美しい!

それに加えて「スピーカーの存在を意識させない自然に音楽に没入できる音」、これは明らかに従来の「ブリティッシュ・サウンド」を踏襲していて、さすがは英国製ですね。

また、音が消え去っていくときの余韻がことのほか美しくて、音響空間の中ではかなく漂いながらそっと気配を絶っていく印象がお見事。2800ヘルツ以上を担当している「リボン型ツィーター」の面目躍如である。

もし「AXIOM80」を現代に甦えらせるとしたら、こういうスタイルしかないだろうなあ・・、と思わせるほど。

結局、4か月前よりも明らかにグレードアップしているので、「プリアンプ球の交換」効果は大だった。

というわけで、いつものように見苦しい「自画自賛」に終始したが(笑)、大いに「PL100」に惚れ直したのも事実。やはり小型SPじゃないと味わえない世界がありますね。

冒頭の「日頃からいい音で聴いてはいけない」の宗旨には反するが、人生の残された時間がそろそろ少なくなってきているのでどうか許して欲しい(笑)。



この内容に共感された方は積極的にクリック →     




 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 音楽は「数学の一分野」なのか | トップ | 「微妙な差」を嗅ぎ分ける醍醐味 »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事