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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

聴かぬが花 VS 聴かせぬが花

2025年03月31日 | オーディオ談義

「秘すれば花なり」という言葉があります。平たく言えば「秘密にするからこそ価値がある」という意味合いだそうです。

たとえば手品を連想すると分かりやすいかもですね。手品のタネを知らないと「凄い」と思うが、いざタネを知ってしまうと「なんだ、そんな簡単なことか」と呆れることが多いです。

このブログでいつもグダグダ書いているオーディオシステムにしても、これと似たようなもので読者にとっては「聴いていないからこそ値打ちがある」とも言えそうですよ(笑)。

たとえば全国津々浦々の読者の方々の中にはもしかして「この人はかなり珍しいスピーカーや古典管を使っているようだし、一度、音を聴いてみたいものだ」と思っている方がいらっしゃるかもしれないですね。

な~に、大したことないです(笑)。

そりゃあ、聴いた当初は物珍しさも手伝って「素敵・・」かもしれませんが、次第に慣れてくるとアラにも気が付いて「な~んだ、我が家の音にもいいところがあるじゃないか」という成り行きが十分考えられます。          

やっぱり「聴かぬが花」なんじゃないかなあ(笑)。

たしかずっと昔の「ステレオ・サウンド」誌だったと思いますが、ジャズ・オーディオの大御所「菅原昭二」さんの投稿した記事の中で、懇意にしている和尚さんのオーディオシステムを聴きに行ったところ、その和尚さん、世間話をするばかりでとうとう聴かせてもらえず、そのうち亡くなられたという逸話が妙に記憶に残っています。

「音は実際に聴いてみるとそこで終わってしまう。想像の中に留めておくからこそ時間と空間を超越して無限の豊かさと広がりを持つ。」というのが和尚さんの当時の心境だったのではなかろうかと、今にして分かるような気がします。

これはオーディオに限ったことではありませんよね。高齢者になると「あれは想像の中に閉じ込めておく方が良かったかもしれない」ことに、いくつか思い当たります(笑)。

そして、もう一つ~、今度はホスト側からの「聴かせぬが花」。

「2・6・2」の法則というのがあります。別名「パレートの法則」とも言われていてご存知の方も多いと思います。

「人間が集団を構成すると、『優秀な人が2割、普通の人が6割、パッとしない人が2割』という構成になりやすいという法則。例えば、集団で何らかの活動をすると、2割の人が、率先してリーダーシップを発揮し、6割の人が、そのリーダーシップに引っぱられて働き、2割の人が、ボーっとしてる、という傾向がある。

次に、その2割のサボった人達を除いて、残りのメンバーだけで同様の活動をすると、やはり、メンバーの中の約2割の人が、新たにサボり始めます。逆に、サボった人ばかりを集めてグループを作り、活動をさせると、その中の約2割の人がリーダーシップを発揮し始め、6割の人は、それに引っぱられて動き始めるそうです。

これは、優秀な人ばかりを集めてグループを作った場合も同様で、6割は普通に動き、2割はパッとしなくなるといいます。スポーツの世界でも、お金をかけてスタープレイヤーを集めても、ズバ抜けて強いチームができるわけではないというのはこういうことなのでしょう。逆に、スタープレイヤーを引き抜かれてしまったチームには、次のスタープレイヤーが出てきたりします。

実は、生物の世界にも、似たような現象があります。アリは働き者というイメージがありますが、数%のアリは、働かずにふらふら遊んでいるそうです。そして、このふらふらしていたアリたちだけを集めて別の場所に移して、しばらく観察していると、その中の数%のアリだけがふらふらと遊び出し、他のアリたちは働き者に変身するそうです。逆に、働き者のアリばかりを集めて集団を作っても、まもなく数%のアリは遊び出すといいます。この数%という比率は、いつも変わらないそうです。」

敷衍(ふえん)すると、組織をはじめどんな事柄にも「緩み」が必要なんですかね・・、たとえば自動車のハンドルにも「遊び」みたいなゆとりが必要だし、
精鋭ばかりだとたしかに息が詰まりそうな気がします(笑)。

さて、我が家のオーディオシステムを実際に聴いた人も実はこの「パレートの法則」が当てはまるのではないかと思うのです。

全体の2割は「なかなかいい音だ!」、6割は「な~んだ、口ほどにもない普通の音じゃないか!」、残る2割は「この音には感心しない!」

結局、8割方の人たちはガッカリするというのがせいぜいの図式でしょう。

しかも、絶賛してくれた肝心の2割も2~3日経って “ほとぼり” が醒めてみると、結局「我が家の音が一番いい」と、こうなります。

人間とは最終的には都合のいいように解釈して己を納得させる人種ですからね(笑)。

したがって「四面楚歌」になるのは目に見えているのでホスト側からすると「聴かせぬが花」が一番だと思います!

そこで質問・・、読者の皆様方は「聴かぬが花」と「聴かせぬが花」のどちらに加担しますか?

えっ、両方とも賛成・・、まさかあ(笑)



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