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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管アンプの楽しみ

2017年07月22日 | オーディオ談義

このところブログに掲載しているオーディオ関連の記事の評判があまりよろしくない。その目安となっているのはアクセス数だがどうもイマイチでひところの勢いが見られない。オーディオ以外の記事だとすぐに(アクセス数が)回復するのでよく分かる。

つらつら、その理由を推し量ってみるのに11年間の長きに亘ってこれでもかとオーディオ記事を連載してきたので「またか」と、ウンザリする向きが多くなったのだろうし、また「内容が専門的過ぎてよく判らん」こともあるのだろう。

そもそも「我が道を往く」スタイルなので読者の反応なんかどうでもいいんだが、やっぱりチョット気になる・・・(笑)。

そのうえで、今回もその専門的な記事になってしまった。

さて、つい先日のブログで掲げたオーディオの先達「五味康祐」さんの「オーディオ愛好家の五条件」だが、その中に「真空管を愛すること」というのがあった。

五味さんはこう宣う。

「分解能や音の細部の鮮明度では明らかにトランジスター・アンプが優るにしても、音が無機物のように聴こえ、こう言っていいなら倍音が人工的である。したがって倍音の美しさや余韻というものがトランジスター・アンプそのものに無い。倍音の美しさを抜きにしてオーディオで音の美を論じようと私は思わぬ男だから、トランジスター・アンプは結局は使い物にならないのを痛感した。」

これは44年前のコメントになるのだが、今もって状況は変わっていないように思うのは自分だけだろうか。

それに真空管アンプの良さは音質の良さに限らずいろいろブランドを挿し換えて楽しむことが出来るのも忘れてはならない。我が家のアンプを実例に上げてみよう。

          

まず左側のアンプ「WE300Bシングル」(銅板シャーシ)から。

入力トランスとインターステージ・トランスが回路に組み込まれており、片チャンネル2本の真空管だけで済むので
とてもシンプルな構成になっている。我が家に来てからおよそ3か月が経過したが、ぼちぼち音の変化が欲しくなったので前段管を取り換えてみた。

ちなみに、真空管を用途別に大雑把に分けると、「整流管」「電圧増幅管」「出力管」になるが今回の前段管はそのうちの「電圧増幅管」に該当する。

これまで使ってきたのは71系の「471B」(デフォレ)だったが、今回挿し替えたのは同じ71系の「171」(トリタン仕様)だった。いずれも1940年前後の稀少な古典管とあって定評がある球だが、後者の方は「471B」よりも出せる電流値が3倍ほど大きいのでよりパワフルな音を期待したのだがまさしく期待に違わなかった。

前者が清楚そのものの可憐な印象でそれも悪くはなかったが、後者になると俄然「押しの強さ」とともに「妖艶な雰囲気」が醸し出されてきたのには驚いた。いかにも口説き上手といった感じで、音のスピードが速くなって濁りが取れてきたせいだろう。「WE300B」の真価は「ハリウッド女優のような色気」にあると思っているのでこれはうれしい悲鳴。

出力管ならともかく、前段管を代えることでこんなに音が変わるなんて、と改めて驚いた。やはり真空管アンプは奥が深い。気難しい「171」トリタンを挿せるように回路を改造してくれた「北国の真空管博士」に改めて感謝である。

これに味をしめ「柳の下の二匹目のどじょう」を狙って(笑)、今度は画像右側の「PX25シングル」アンプの前段管を差し替えてみた。

「WE300Bシングル」アンプのカムバックでやや影が薄くなってきた感があるこのアンプだが、どうしてどうして、その魅力はまだまだ捨て難い。何といってもイギリス管は「紳士の国」に通じる品の良さが根底にある。こればかりはどうしてもアメリカ管の及ばないところだ。

その品の良さをいかに引き出すか、これも前段管で大いに変わってくる。

これまで「LS7」(GEC:ナス管)を使ってきたが、μ(ミュー:増幅率)がやや高いせいか高音域は華やかだが中低音域の厚みがイマイチの感があった。

そこでμが1/2ほどの値の「112A」を挿し替えてみたところ、ガラリと変身。音の重心がぐっと下がって、いかにも渋いゼントルマンの雰囲気が出てきた。「WE300B」と見事な対照を見せるがそれぞれに持ち味があってとてもいい勝負。今や我が家の二大エースである。

一昨日(20日)はどちらが真のエースか確認する意味で朝から4系統のスピーカーを繋ぎ替えて聴き比べてみた。

先日のブログ「真夏向きのオーディオ スタイル」でエアコンを入れるのは17時頃と偉そうにほざいたが、こう暑くなると舌の根も乾かないうちに朝からエアコンを入れっ放し。どうか許して欲しい(笑)~。

その結果、WE300Bシングルアンプは「AXIOM80」と「JBLのLE8T」で軍配が上がり、PX25シングルは「グッドマンAXIOM 150マークⅡ+デッカのリボン型ツィーター」と「フィリップスの口径30センチ」で一日の長があった。

お互いに「2勝2敗」なので結論は持越しに~。

これからも、前段管や整流管を挿し替えながら大いに愉しませてもらうが、真空管アンプは弄るところが多くてまったく退屈しないので
「素(す)隠居」にはもってこいだ(笑)~。

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