goo blog サービス終了のお知らせ 

「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

愛情、熱意そして執念に彩られたスピーカー

2021年02月27日 | オーディオ談義

長いことブログをやっていると全国津々浦々からメールをいただく。

その内容も様々だがやはり、愛用されている機器への迸るような愛情と熱意、執念みたいなものが感じられるメールが記憶に残っている。

たとえば数々の伝説に彩られたスピーカー「AXIOM80」(英国グッドマン社)についてのメールなんかがそれに該当する。

まるで麻薬のような妖しげで魅力的な音に「人生を狂わされた」とまで仰る方が実際にいるし、ちょくちょく我が家にお見えになっているオーディオ仲間も「とにかく音の粒子が細かくて別格です」とまで褒め称える

さらには「AXIOM80で聴かないと微妙な音質の差が分かりません」と、自作したばかりのプリアンプをわざわざテスト用としてご持参されるほどだからその評価たるや推して知るべし。

ただし、「実際に聴いてみたけど大したことはなかったよ」と仰る方もいることはいるが、箱の仕様や周辺機器の状況によってガラリと雰囲気が一変するスピーカーなので、そういう方はきっと悪い例に当ったに違いない。実は昔の我が家がそうだった・・。が、今は違いますよ(笑)。

そして、以前メールをいただいた「S」さん(関東地方)も凄い「AXIOM80」ファンだった!

そのSさんのメールを再度ご紹介させていただくとしよう。

「先日の話をもう少し詳しく…。

2発入ったシステムを聴いた時が80の音との出会いでした。
オーディオを始めた頃から存在は知っていました。でも聴く機会はありませんでした。

ヒノ・オーディオの2発入ったシステムを購入したのは栃木の方だったとの事。定年退職した男性(旦那)とその奥さん、それと息子さん夫婦の4人で来店したそうです。

男性はタンノイⅢLZを物色していて、奥さんは暇なので会長が何かCDを聴かせてあげようと。

会長「何が良い?」奥さん『美空ひばりの有る?』

CDを再生したら…

姿勢を正し、正座して聴き入った。

そして旦那さんに、『お父さん、これにしましょうよ!美空ひばりが此処に居るじゃない!!』 奥さんは(ひばりの)親衛隊だっただけに生の歌声を聴いている訳です。

そして買われていったのでした。旦那さんにとっては良い買い物が出来てラッキーでした。

300Bシングルで鳴らしているそうで、『凄い音で鳴ってるよ!!』と喜びの報告があり、たまに奥さんも好きなので聴いてるとの事。

契約が済んで引き取られてゆく前に自分は聴く事が出来た訳です。

その時自分は何か買いたい衝動に駆られて、何となくローサーのPM6のシステムを何種類か聴き比べていたのですが高域に混濁とビリつき感が有るのが気に食わず諦めていました。そして80の2発入りを聴いて…

『スタックスのコンデンサー型イヤースピーカーと変わらない淀み無く澄みきった高域』それと『声を出す時の息の湿り気をも感じる様な生々しさ』に打ちのめされました。

「この音はこのユニットにしか出せない音なんだな」そう感じて『今なら旧型新品が1ペア有るよ』に食らい付いたのです。2発システムは無理でも、この音は欲しい!

好きな音だった訳ですな。でもバスドラムのドスンは残念。

そして本気で鳴らす為のアンプはウエスタンのVT52刻印のシングル。チョークインプットB電源、フィラメントのDC点火にもチョークインプット。※抵抗切り替えのハムバランサーでAC点火も思案。

ドライバートランスは試したいの色々(笑)。部品は大体揃ったから後は組み上げるだけ。でも仕事が…。あ、箱も修理中だった!」

以上のような、いかにも「AXIOM80」の魅力にどっぷりハマられた方のメールだが、このユニットが鳴らす生々しい臨場感を一言で言い表すとすれば「美空ひばりが此処にいるじゃない!」は、けだし、名言・・。

それに、登場された奥様の何と素敵なこと!

普通は「どれもこれも一緒じゃない、一番安いのにしとけば」で落ち着くのが当たり前だろうに、わざわざ高価なスピーカーを選んであげるなんて、旦那さんへのふつふつとした愛情が感じられるではありませんか。

まったく「仲良きことは美しき哉」(武者小路実篤)です・・。

また「スタックスのコンデンサー型イヤフォーン」は独身時代の間借りしていたときに愛用していたもので懐かしい思い出の機器である。たしかに同じ透明感の匂いをAXIOM80にも感じる!

そして、時代の流れに抗しきれずとうとう廃業に至った「ヒノオーディオ」(東京)さん。あれから、もう10年ぐらいになるかなあ・・。

せめて全国で1か所ぐらい「AXIOM80」を気軽に聴けるショップがあってもいいと思うが、これはまったく「若い層のオーディオ愛好家たち」にとっては不幸というべきだろう。

たとえ好きになろうと嫌いになろうと、とにかくスピーカーばかりは実際に聴いてみないと始まらないんだから~。

それはさておき、春近しの開放的な気分に強く後押しされて、久しぶりに我が家の「AXIOM80」の現況について「オリジナル版」と「復刻版」とに分けて俎上に載せてみるとしよう。

以下、続く。



この内容に共感された方は励ましのクリックを →      



 
 
 
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 真空管の生涯 | トップ | 「AXIOM80」へのアプローチ・... »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事