goo blog サービス終了のお知らせ 

「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「音の響き」について

2018年04月10日 | オーディオ談義

我が家のオーディオはどうも外的刺激に弱いようで、今回も先日お預かりした「50」アンプが変化のきっかけをもたらしてくれた。

3ウェイシステム(以下「3ウェイ」)でもそこそこ鳴ってくれたのだが、「AXIOM80」に換えたとたんに(3ウェイの)アラが目立ってあえなく「こりゃアカン」(笑)。

フルレンジ(AXIOM80)と3ウェイの差と言えばそれまでだが、その原因を素人なりにも明らかにしておかないとどうも気が納まらない。

まず一番の原因は振動板の違う3つのユニットを組み合わせてうまくハーモニーを醸し出す難しさが挙げられる。メーカー仕様の3ウェイのようにプロがきちんと測定しているわけでもないので自己流の3ウェイはちょっと無茶だったことを痛感した。

さらに、クロスオーバーを500ヘルツとやや低めに取ったために低音域のユニット(ワーフェデール)と中音域のユニット(イソフォン)の響きがうまく馴染まなかったのも一因。

クラシック向きとされるイギリス系のスピーカーはあのタンノイさんをはじめクロスオーヴァーを1000ヘルツ以上にしている例が多い。つい最近オークションに出品されていたグッドマンの純正3ウェイネットワークもクロスオーヴァーは950ヘルツだった。

ジャズを聴くのならともかくクラシックを主体に聴くのであれば少なくとも一つのユニットで1000ヘルツくらいまでをカバーした方が良さそうだとは現時点での所感。

「そんなことはとっくの昔に知ってるよ。」という方も多いだろうが(笑)。

そういうわけで、我が家では3ウェイシステムを従来の2ウェイ方式(クロス4000ヘルツ)に戻すことにした。ついでに、4000ヘルツ以上はワーフェデールのツィーター「スーパー3」にして、低音域も高音域もワーフェデール(両者とも赤帯マグネット)に統一した。その結果がこれ。

    

どうやらこれにて一件落着、しばらくこれで聴いてみよう(笑)。

今回の件でハーモニーと音の響きの大切さを痛感したわけだが、丁度ネットで参考になる記事を見かけたので紹介させてもらおう。

「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。
 

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。
 

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

以上のとおりだが、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用しない方がいい。

たとえば「響きが足りないデジタルの音をTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

一昔前のオーディオ全盛期を知っている人間にとってオーディオ文化の衰退は淋しい限りだが、それかといって有効な手段もないしね~(笑)。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6台の真空管アンプによる競演会 | トップ | スポーツ界の頂点に位置する野球 »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事