ギャー、ガリガリ、バリバリッ!
PX25シングルアンプのスイッチを入れたとたんに右チャンネルのスピーカーから空気を鋭く切り裂くような大きなノイズが出た。いきなりのことなので肝っ玉がぶっ潰れんばかりになって急いでアンプのスイッチをオフ。
「いったい何が起きたんだろう?」と、戸惑うばかり。
とりあえずスピーカーのボイスコイルの破損が心配になったので、別のアンプに繋いで音出ししたところ、すんなり音が出てくれてひと安心。幸い、比較的耐久入力の有る「3ウェイシステム」だったので事なきを得た。
これがもし繊細極まりない「AXIOM80」(最初期版)だったらと思うと背筋がぞっとした。
スピーカーの無事を確認すると、今度は異音の原因究明だ。
アンプに原因があることは間違いないし、それも右チャンネルだけからなのでおそらく真空管、それも出力管だろうとおよその見当がついた。
SPコードを外しているので改めてスイッチオンして、右側の「PX25」真空管を真上から覗いてみたところ、プレートの光の周りが紫色になっている。左側のPX25にそういう症状は見られないのでこれが故障の原因に違いない。
さっそく古典管の泰山北斗「北国の真空管博士」に問い合わせて症状を説明すると、こういう答えが返ってきた。
「ああ、それは真空管内の真空度の低下による故障でしょう。おそらく寿命が来たと思います。真空管はスイッチ・オン・オフ時が傷みやすいので要注意ですよ。しかし、万一大きな異音が出てもスピーカーに衝撃を与えないように回路に対策を施しておきましたので大丈夫だとは思いますが。」
「何しろこれまで全然故障の兆候もなかったのでビックリしました。音が出なくなったり、だんだんと小さくなるような故障ならいいのですが、急に大きな異音が出るのはほんとうに驚きました。こういうケースは初めてですよ。」と返答。
「かなりレアなケースなのでぜひ見てみたいですね。」との博士の言葉に後押しされて後日、症状を確認していただくために該当の真空管を送付することにした。
ご覧のとおりかなり濃い目のゲッタがちゃんと残っているのでうまく復活出来たら「めっけ物」だが、まず無理だろう・・・。
いずれにしても、このアンプの整流管には直熱管を使っていたので、今後、傍熱管(WE422A)を使用することにした。まあ、気休めかもしれないが。
いつも素直に言うことを聞いてくれる真空管だが持ち主へのこういう反乱は珍しい。ちょっといじめ過ぎかもしれないので「働き方改革」が必要かもねえ(笑)。