このほど東北地方の方から 小躍りしたくなる ようなメールが届いた。ご本人の了解なしの掲載だが、匿名なので大目に見てもらうことにして、大要、以下のような内容だった。
「貴ブログを読んでオペラ”魔笛”(モーツァルト)を見直したくなり、わざわざプロジェクタを購入しました。
所有していた”魔笛”は昔懐かしいレーザーディスクによるサバリッシュ指揮の1983年の録画で、10年くらい見る機会がなかったが、これからじっくりとオペラ鑑賞を楽しみたい。
貴ブログのおかげでオーディオと音楽にやる気が復活してきました。」
1983年版のサバリッシュ指揮の「魔笛」はたいへんな名演です! 私も「DVD」を持ってます。
こういうメールをいただくと、つくづくブログを続けていて良かったと思う。(ブログを)始めてから18年になるが、大した内容でもないのにご覧になる方も随分増えてきて、たいへんありがたいことだが、ときどき、自分はいったい何のためにブログを続けているんだろうと思いが過(よぎ)るようになった。
まあ一種の馴れからくる倦怠感みたいなものだろうが、こうして「初心忘るべからず」という気持ちを想起させるメールをいただくと「よしっ、がんばるぞ」という気分にさせられる。
つまり、それほど貴方が言うのなら「魔笛」を一度聴いてみようか・・、そして気に入ったというファンがすこしでも増えたとしたら、このブログの目的は半ば果たしたようなもの・・。
しかも18年前と違って今では「You Tube」という文明の利器が出現しており、タダでいとも簡単に聴けますからね! 今や音楽は無料で聴ける時代です。
で、そもそもこのブログを始めた動機そのものが、「魔笛」の素晴らしさを広く世に伝え、最終的には「魔笛」に魅せられた愛好者ばかりが集まった全国的な「魔笛倶楽部」を創ろうというのが目的だった。
しかし、ブログを開始して3か月も経たないうちに「魔笛」に関する材料が種切れとなり、仕方がないのでオーディオや読書などの話題を盛り込まざるを得なくなって、いつの間にかブログの性格が変質してしまったというのが偽らざるところ。
今や(自分のブログの)メインになっているのは「オーディオ」関係だが、たしかに面白くてたまらない趣味には違いないが、この分野には「先達」(せんだつ)がそれこそ ごまん といらっしゃるのを十分承知している。
正直言って、自分のような中途半端な人間が太刀打ちできるようなヤワな世界ではないし、それに、人によって「好み」や「環境」があまりに違うので広く共感を呼ぶ話題としてはちょっと無理があるように思っている。
たとえば、自分がどんなに「いいシステムだ、いい音」だと力説しても、「私はラジカセやヘッドフォンで聴く方が好きです、箱庭の世界のような音が好きなんです」と言われればそれまでの話・・。
つまり「オーディオ関係の記事」には「どうせ理解し合えないだろうけど・・」という 虚しさ がいつもつきまとっているのを自覚している(笑)。
その点、あらゆる民族共通の言語ともいうべき音符の世界は共感できる幅が圧倒的に大きいのが利点。
「死ぬということはモーツァルトを聴けなくなることだ」と述懐した天才物理学者の「アインシュタイン」を始めとして、老いも若きも、貧富の差もなく、秀才も鈍才も関係なく、そして人種を問わず万人が同列に楽しめる趣味なんて、この世に音楽を除いてほかにあるんだろうか・・。
というわけです。
これからもオーディオ関係はネタが豊富なので、頻繁に記事にするつもりですが、ま、そういうつもりで一読していただけると幸いです~。
エッ、始めからそのつもりで読んでるって・・、恐れ入りました(笑)。