近年では滅多に聞くことがないが「夜目遠目笠の内」(よめ とおめ かさのうち)という言葉をご存知だろうか。
その意味とは「夜の暗がりで見るとき、遠くから見るとき、笠の下からちらりと見えるとき、女性は一番美しく見えるものだ。」というもの。
考えようによっては美貌を自負する女性にとって随分と失礼な話だが、最近は「コロナ禍」によってマスク姿の女性が増えたので、これにプラスして(目元が涼しいだけで得をする) 「マスク美人」を追加した方がいいのじゃなかろうかなんて思ってしまった(笑)。
すべてをさらけ出すのを良しとせず、「チラリ」とあるいは「おぼろげ」に見せることで相手の想像力を逞しくさせるというのは素敵ですね。
そういえば昔の時代小説なんかを読んでいると、姿かたちのいい女性のことを指して「それがまあ、小股の切れ上がったいい女でさあ」という表現が時折り出てくる。
小股とはいったいどこを指すのかといえば、諸説あるのだが着物の裾からチラリと見える足首のことだと何かの本で読んだことがある。
これもなかなか素敵な表現ですね。
スピーカーで言えば、洗いざらいすべての情報を出そうとするのがJBLを始めとするアメリカ系のスピーカーだとすれば、その一方「いぶし銀」のように陰影が在って、想像力をかきたてるのがイギリス系のスピーカーとおよそ相場が決まっている。
どちらがいいとも悪いとも言えないが、いわば「マスク美人」はコロナ禍による恩恵の一つと言ったら「不謹慎だ」と顰蹙を買うかもしれない~(笑)。
恩恵といえば2匹の野良猫からすっかり慕われるようになったのでその経緯を述べてみよう。
市営の運動ジムがコロナ禍のせいで3月5日から休館となり、仕方なくこの3か月ばかり午後の運動は上り下りの激しい近隣の坂道を50分ほどかけてウォーキングしている。
そのコースの途上にあるのが「鉄輪」(かんなわ)の旅館街で、いわば別府温泉を代表する街並みのいかにも狭い路地を大中小の様々な旅館が軒を連ねている。
必然的に、野良猫も多くて軒下でよく寝そべっているが場所柄のせいか人慣れしていてあまり怖がらない。
中には餌をくれとばかり「にゃ~ん」とすり寄ってくるのが居て実に可愛い!
そういうわけで、期待に応えようととうとう餌をやる破目になってしまった。
始めに出会う1匹目がこれ。旅館兼焼き鳥屋さんにたむろしている猫で、栄養状態がいいせいか太り気味だが食欲旺盛で午後3時半くらいには決まって所定の場所にいて、自分の姿が少しでも見えると駆け寄ってくる。
そして、2匹目がこれ。
小さな雑貨屋を営んでいた飼い主の「おばあちゃん」が急逝してしまい、新しい経営者から追い出されて居場所が無くなった可哀そうな猫ですよ、と通りがかりの人が教えてくれた。
この猫も毎日定時にしっかりと待っていて「にゃーん」と尻尾を立ててスリ寄ってくる。
ただし、難点が二つあって1点目はこれ。
猫によって餌の好き嫌いがあって、別々に3種類の餌を微妙に配合してやらないと食いつきが悪い。まったく手間のかかる贅沢極まりない猫だ(笑)~。
もう一つは当然歩きたくない日もあるのだが猫が待っていると思うと重い腰を上げざるを得ない。
何しろ雨の日だって軒下でしっかり待っているんだから困ってしまう。この分では運動ジムが再開されてもとうてい行けそうにない(笑)。
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