「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「山椒は小粒でもピリリと辛い」サウンド

2020年06月13日 | オーディオ談義

つい最近のブログで「夏向きの音、冬向きの音」の区分を記載したことをご記憶だろうか。

明るく開放的なアメリカ系の音は冬に聴く、内省的で思慮深いイギリス系の音は夏に聴くというものだった。

そこでJBLのウーファー「D123」(口径30センチ)をグッドマンの「トライアクショム」にそっくり入れ替えたが、我が家にはもう1台生粋のJBLのシステムがある。



JBLの「LE8T(口径20センチ)+175ドライバー」で、こればかりはユニットの入れ替えがきかないのでそのままだが、夏到来とはいえ、季節を問わずこのサウンドがときどき無性に聴きたくなるのが不思議。

その昔「スカッと爽やかコカ・コーラ」という宣伝文句があったが、まことに「スカッと爽やか」なサウンドである。

日頃イギリス系の音ばかり聴いていると時々「うっぷん晴らし」がしたくなるのかもしれない(笑)。

低音域のレンジもさほど伸びないし重量感には乏しいのだが、その代わりスピード感が半端ないのが気に入っている。

軽くて小気味よく弾んでくる低音に麻薬のように痺れる匂いがあって、この辺りのサウンドはイギリス系のスピーカーには求めようとしても得られないものなので我が家のスピーカー群では独特の光芒を放っているといえる。

ただアンプの選び方は要注意で、選び方次第でガラリと音が変わる。

以前、オーディオ仲間に聴いてもらったところ、相性の悪いアンプを選んでしまい散々の悪評だった(笑)。

そこで「捲土重来」だとばかり、アンプの選択にはことのほか慎重になった。

周波数1000ヘルツ以下(-6db/oct)を受け持つ「LE8T」はPX25アンプで決まり、難しいのがそれ以上を受け持つ「175ドライバー」で、能率が「110db」近くあるのでとても音が暴れやすい。

「300Bアンプ」で鳴らしたりするとパワーがあり過ぎてボリュームの調整が難しくなりアウト。

そこで出番となったのが「71系」アンプ。何しろ出力がたったの1ワット前後なので高能率スピーカーにはもってこいだし、素直でクセが無い音質なので絶対に手放せないアンプである。



前段管がヴァルボ(ドイツ)の「A411」(バリウム昇華型フィラメント」、整流管は「OK-X213」(メッシュプレート)だが、出力管の選択が難しい。

周知のとおり71系の出力管は沢山種類があって枚挙にいとまがないが、一番相性が良かったのは「DEFOREST」(デフォレ)の「471ーB」だった。71系の中でも最もパワーが少ない出力管である。



この出力管を使うと、ヴァイオリンが艶やかで濡れたような響きになってJBLの金属のダイヤフラムから出てくる音とは信じられないほどで、女性ボーカルだって場末の安酒場から高級クラブの歌姫に変身するのだからたまらない(笑)。

小型スピーカーは一般的に「きれいごとの世界」で終わりがちなのだが「山椒は小粒でもピリリと辛い」サウンドとはこういうものを指すのだろう。

大型スピーカーにはもちろん特筆すべき良さがあるが、小型スピーカーにもそれなりの世界があって、終生愛用したいと思いたくなるシステムである。

ただし、小型スピーカーほどアンプを選ぶ傾向にあるのでどうかご用心を~。

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