「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

今さら悠長なことを言ってられない

2020年04月25日 | オーディオ談義

目の前に沢山のご馳走が並んでいるとする。真っ先に大好きな食べ物から箸をつけるか、あるいは後々の楽しみのため大切に取っておいて最後の方で食べるか、世の中には二つのタイプがあるように思う。

オーディオにも似たようなことがあって、「音質のいい真空管を先に使うか、あるいはもったいなくて二番手のブランドの真空管を先に使うか」という難題がしばしば待ち受けている(笑)。

趣旨はちょっと違うが「後楽園」の名前の由来となった「先憂後楽」の精神と似てますね。

我が家の真空管アンプ「PX25シングル」にも同様のことがいえる。



現在、使っている出力管は中央2本の「PP5/400」(英国マツダ:初期版)で、これまで使ってきた「PX25」(英国:GEC)の親分筋にあたる球である。

先日、オーディオ仲間と話しているうちに「もう今さら悠長なことを言ってられませんよ。コロナ禍でいつ命を落とすかわかりませんからね。
貴重な真空管ほど、今のうちに精一杯使ったほうが得です。」で、意見の一致をみたのでさっそく「PX25」と入れ替えての出番となった。お値段の方は2倍弱ぐらい違うかな~。

とっておきの「PP5/400」を使うとなると、相応しいスピーカーは自ずと英国同士の「AXIOM80」となる。

ちなみに、このアンプの球の構成は前段管が「GSX-112」(1930年代製)、整流管は「WE-422A」(1958年製)と一流どころを総動員した。

丁度、命が尽きる1週間ほど前にすべての真空管の寿命が尽きるのがベストだが、そうは簡単に問屋が卸すまいて(笑)。

球を入れ換えた後の音質についてはもう「言わずもがな」で、省略~。

そして、我が家のアンプ群では「PP5/400シングル」と並んで双璧ともいえるのが「WE300Bシングル」だが、この出力管も交換の運びとなった。



このアンプの場合は銘管とされる「WE300B」(1960年代製)から、とても安価な「6A3」へと逆にレベルダウンしたのがとてもユニーク(笑)。

やや専門的な話になるが交換の経緯を述べてみよう。

つい最近、3ウェイシステムへの再編成を熱心に進めてきた結果、「大」「中」「小」と3系統が完成した。



いずれのシステムとも、スコーカーとなるユニットはフルレンジ用としてチャンデバを通さずに鳴らし、そして低音域は「250ヘルツ」でハイカット、高音域は「8000ヘルツ」でローカットするやり方で、当分の間踏襲するつもり。

そして、一番重要な帯域となる「スコーカー=フルレンジ」を駆動するのに使っているのが「WE300B」シングルアンプである。

ところがオーディオ愛好家なら既にお気づきのとおりスコーカーをフルレンジで鳴らすと低音域(250ヘルツ以下)と高音域(8000ヘルツ以上)とで、それぞれ別のユニットと再生帯域が重なってしまい、音が濁り気味になるのが難点といえば難点といえる。

したがって、その辺の重なり具合を出来るだけ薄めたいと思うのが人情というものだろう。

そこで「WE300B」に代わって出番となったのが出力管「6A3」だ。

「この300Bアンプはごく控えめな動作にしていますので6A3でも十分使えますよ」と、3年ほど前に古典管の専門家から譲り受けたものだが、音質的には中高音域についてはWE300Bとまったく引けを取らないものの、惜しいことに低音域がやや薄味でこれまでずっと予備役に編入していたのだが、今回の改変によりその「薄味の低音域」がシステムと見事にマッチングする運びとなった。

低音域が薄いハンディが逆にメリットになるのだから、これぞオーディオの醍醐味!

時と場合によって「欠点が長所となったり、あるいは長所が欠点になったりする」ので、柔軟な「頭の体操」にはもってこいですね。

特に我が家のオーディオの場合、「一寸先は闇」なのでなおさらのこと。まあ、ボケ防止には大いに役立ってくれることでしょうよ(笑)。

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