NHKのBSハイ「にっぽん釣りの旅」は毎週欠かさず観ている番組だが、11月27日の「北の大地でニジマスの誘惑~大岡 玲(おおおか・あきら)・北海道富良野市~」(再放送)では68cmの大きなニジマスが釣れたのに驚いた。一度でいいからこのくらいの大物を釣りたいなあ~。
そして、この番組に登場した作家の大岡 玲氏(「表層生活」で芥川賞を受賞)が釣りの醍醐味について、大要次のように語っていたのが印象に残った。
「野生の魚と対峙してその物凄いパワーと圧力を感じた瞬間、パーッとアタマが真っ白になってしまって、その瞬間に言葉というものに汚されている文明的な自分がスポーンと飛んでいく、”私自身が言葉でなくなる”、自分にとって釣りの快楽を一言で表現すればこれに尽きる」。
さすがに作家、独特の表現でもって”釣りの醍醐味”を語っているのに感心するが、さて自分ならどう表現しようかと思っても、これが30年以上も釣りをやっているのになかなか浮かんでこない。
何しろ、”新しい魚はおいしい”という”食い気半分”の不純な動機で釣っているのが実状だから釣った魚をきちんとリリースする大岡さんとは「釣りの品格」がどだい違っているようだ。それにしても大岡さんの作品を一度読んでみたくなった。
閑話休題。
釣り紀行♯39~爆釣、こんなに釣れていいの~
と き 2008年12月4日(木)、晴れのちくもり、海上微風
と こ ろ S市O島
釣り時間 8時15分~13時30分
潮 小潮(満潮13時前後)
釣 果 クロ31匹(手の平~足の裏クラス)、アジ43匹(20~25cm)
前回(11月21日金曜日)の大漁で味をしめてほぼ同じ条件下での釣行となった。場所、時間帯、潮の具合などがまったく一緒で違うのは外気温だけ。とにかく12月にしては非常に暖かい日となった。
相変わらず誰一人いない釣り場の防波堤に到着したのが8時ごろ。
さて、潮の動きが少ない小潮のときは釣れないという定説があるものの、この場所ではあまり通用しないみたい。とにかく、釣り開始からウキ下3mの仕掛けにアジの入れ喰いでそれも防波堤からの釣りにしては型がよかった。前回のマキエを食べて太ったのかもしれないがサイズが一回り大きくなったようで竿が結構しなって引き味もいい。
ところが、肝心のクロがさっぱり釣れない、つい2週間前の前回はこの場所で39匹釣り上げたのだから”いない”はずはない。”おかしいなあ”と首をひねりながら2時間ほど経ってから、とうとう別の竿でウキ下50cmの仕掛けを投じてみた。
ところがなんとその仕掛けにクロが喰ってきた。どうやら海水温の上昇とともにクロも深場から海水面近くに上がってきていたらしい。
それからはクロ、アジが”こんなに釣れていいの”と思うくらいの爆釣。釣りにとって厄介な風もほとんど無くて、マキエを正確なポイントに打ち込みエサと同調させるのも楽だった。
地元の漁師さんが通りがかりに「型のいいアジが釣れてるなあ」、「いいえ、それほどでもないですよ~」。釣り人が沢山釣るのを見て喜ぶ漁師はまずいない。
この場所では2回連続の大漁でクロの型がいまいちだが確実に釣果が見込めるのがいい。もっと冷え込むと待望のチヌ(黒鯛)もきっと出てくるはず。それにこれから北西の季節風が強くなる時期だがこの場所は風裏にあたるので釣りやすいのもいい。
これから本格的な冬のシーズンに入るが今年は楽しめそう。
マキエが切れたのが13時30分頃で丁度14時発のフェリーに間に合った。「モイカ」があればと港近くの活き魚店を覗いてみたが売り切れだった。
チヌが釣れたら自分への褒美に高速道で帰ろうと思っていたが、釣れなかったので一般道で帰ったところ数年前に自分が捕まった同じ場所で「スピード違反取り締まり」をやっていた。レーダーの設置が丁度上り坂を過ぎて下り坂を降りきった場所なのでスピードが出やすく、まずどんなクルマでもご用心といったところ。
別に交通安全上危険な場所でもないと思うが、××もあまり”あこぎ”なことを続けて点数稼ぎをやっていると反感をかって”協力者が減っていきますよ”とアドバイスしておこう。