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手仕事で気持ちいい暮らし 刺し子作家・萩原久子さん

2014-07-22 | アイヌ民族関連
中日新聞 2014年7月21日
 「作品は、暮らしから生まれる。だから、衣食住でもできるだけ手作りをして楽しむ」-。刺し子作家の萩原久子さん(67)は手仕事での生活を実践し、四十年来、創作活動を続けている。
 横浜市戸塚区の自宅は、五十年前の木造家屋に改築を重ねた。庭には草木が生い茂り、アジサイが色を添える。「住まいは毎日過ごす空間。自然を感じて心豊かに暮らしたい」。夏は蚊帳、冬はまきストーブを使い「工業製品はなるべく置かない」。食でも姿勢は同じ。土鍋や七輪(しちりん)で煮炊きし、知り合いの農家が作った野菜を味わう。スーパーで買い物はほとんどしないという。
 刺し子に出合ったのは、約四十年前。何げなく訪れた展示会で、素朴な藍の木綿と直線的な糸に魅せられた。「針を持ったこともない不器用な私にできるのか心配でしたが、自分の着る物を自分で作る喜びがあった」
 前衛書道の経験を生かし、手本をまねるのではなく、自分なりの表現を追求。アフリカやアイヌ民族の衣装からひらめきを得て作った斬新で自由な模様が、支持を集めた。国内での個展のほか、昨年十月には招待を受けてスウェーデンの博物館で新作を展示。今年六月には故郷の静岡県藤枝市でも披露した。
 自宅の玄関先に設けた客間は「小さな美術館」と呼ぶ。刺し子の服や小物、絵が趣味の夫、卓(たかし)さん(74)と合作した竹かごやうちわなどが、至る所に飾られている。「手仕事は手加減できる面白さがあり、自分の味が生まれる。手作りの良さ、好きなものに囲まれた暮らしの気持ちよさを伝えたい」 (発知恵理子)
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2014072102000007.html
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