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ローマ教皇、カナダへ謝罪の旅 寄宿学校で先住民の子虐待の歴史

2022-07-23 | 先住民族関連
毎日新聞 2022/7/22 06:30(最終更新 7/22 16:46) 有料記事

カトリック信者らに手を振るフランシスコ・ローマ教皇=バチカンで2022年7月17日、ローマ教皇庁提供・ロイター
 フランシスコ・ローマ教皇(85)が24日から約1週間の予定でカナダを公式訪問し、カトリック教会が関わった先住民の子供たちへの虐待に謝罪する。カナダでは同化政策の結果、教会が運営した寄宿学校を舞台に虐待が頻発していた。心に傷を負った被害者たちに、教皇はどう向き合うのか。
寄宿学校出てからも続いた苦しみ
 「家畜用のトラックに乗せられて、8歳で寄宿学校に連れてこられた。『お祈りをしないと地獄に落ちるぞ。燃やされるぞ』と脅され、それを信じ懸命に祈りました」。80代の女性ローズ・グレース・ミラーさんはカナダ放送協会(CBC)とのインタビューで、子供の頃に寄宿学校で遭った残酷な体験を打ち明けた。「修道女から『この淫売(いんばい)』とののしられてから、レイプされました。そのときは淫売という意味さえ分からなかった。学校を出てからも怒りや恐怖、恥に苦しみました」
 カナダでは1870年代から1990年代まで、白人社会への同化を目的に、先住民の子供を家族から引き離し、寄宿学校に入れる政策が取られた。政府が資金を拠出し、少なくとも139校あったが、その多くをカトリック教会が運営していた。後に政府と当事者の合意で設立された第三者機関「真実と和解委員会」の調査によると、15万人の子供たちが家族から引き離された。寄宿学校では先住民の言語での会話を禁止され、暴力が横行していた。
 この同化政策について、カナダ政府は2008年に先住民らに謝罪。政府の調査委員会も15年、「文化的ジェノサイド(民族根絶)」だったと結論付けた。カナダでは近年、こうした「負の歴史」に向き合うことが問われ続けている。カナダが舞台の小説「赤毛のアン」を題材にし、17年からカナダで放映が始まった連続テレビドラマ「アンという名の少女」(日本語版タイトル)でも、主人公の友人の先住民が被った過酷な経験がエピソードの一つとして描かれた。
明らかになる虐待の証拠
 被害の全体像がはっきりしない中で…
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https://mainichi.jp/articles/20220721/k00/00m/030/339000c
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