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世界には非常に特殊な言語が存在 「色を比喩で表す言語」など

2015-05-27 | 先住民族関連
livedoor-2015年5月25日 23時4分

世界の見方が変わる5つの言語について
世界には約6900の言語があると言われていますが、「世界の中心が自分ではない言語」「東から西へ時間が流れる言語」「色を比喩で表す言語」「証拠を要求する言語」「『2』を持たない言語」などの非常に特殊な言語も存在します。そんな5つの言語を知れば、言語学者のベンジャミン・ウォーフが提言した「言語がその人の考え方に影響する」という仮説を肌で感じることができます。
5 Languages That Could Change the Way You See the World - Facts So Romantic - Nautilus
http://nautil.us/blog/5-languages-that-could-change-the-way-you-see-the-world
◆世界の中心が自分ではない言語:グーグ・イミディル語
英語を話す人は自身を中心にして世界を表現します。しかし、オーストラリアのクイーンズランド州の先住民であるアボリジニのグーグ・イミディル族のグーグ・イミディル語は位置を相対的な前後左右ではなく、絶対的な(PDF注意)東西南北で表現します。例えば、英語の「あなたは私の左側に移動できますか」をグーグ・イミディル語で表現すると、「あなたは私の西へ移動できますか」となります。グーグ・イミディル族は若い頃から「体内コンパスを持つ」と言語学者のドイッチャー氏は話しており、英語を話す子どもが時制の使い方をマスターしていくように、グーグ・イミディル語を話す子どもは幼い頃に東西南北の使い方を学ぶ、とのことです。
また、グーグ・イミディル語を話す人が、後ろに注意を向けたい場合、「私の後ろに注目して」などとは言わずに、まるで話す相手がそこに存在しないかのように後ろに注意を向けようとします。他の研究では、前後左右を使って場所を表現する言語を使う人は、空想的な空間記憶と移動する技術を持っているとしています。ただし、グーグ・イミディル族が相対的な前後左右の言葉を持たなくとも、前後左右の概念を理解できないとはいえないとドイッチャーさんは指摘しています。
◆東から西へ時間が流れる言語:クウク・ザアヨッレ語
スタンフォードの言語学者レラ氏とバークレー大学のアリス氏がクウク・ザアヨッレ語を話すPormpuraaの人々を研究しています。Pormpuraaが使うクウク・ザアヨッレ語も、グーグ・イミディル語と同じく東西南北で場所を表現するそうで、さらに「東西南北が時間にも影響している」という特性も持ち合わせています。実験として、クウク・ザアヨッレ語を話す人に、人の歳の取り方、ワニの成長、バナナの食べ方を時系列で表したカードを順番にテーブルに並べてもらいました。結果は、クウク・ザアヨッレ語を話す人は、北か南を向いてテーブルを置き、東から西へ時系列の順番にカードを並べたとのこと。一方、英語を話す人は左から右に時系列にカードを順番に並べました。
なお、実験ではテーブルがどの方向を向いているか伝えずにテストを行っており、クウク・ザアヨッレ語を話す人は時間を表現するため、東西南北の位置を自然に使用していました。
◆色を比喩で表す言語:イェリ・ダニエ語
言語学者によると、個々の言語は人間が認識する色の移り変わり(可視スペクトル)を表す言葉を持っているとしていましたが、2001年心理言語学のスティーブン氏の研究によると、パプアニューギニアのロセル島のイェリ・ダニエ語には特定の色を指す色彩用語がないと発表しています。例えば、赤を表現するため、ロセル島の人は赤いオウム類を表すmtyeに由来する「mtyemtye」と表現します。黒を表現する場合は、夜に由来すmgidiから「mgidimgidi」と表現していました。また、イェリ・ダニエ語の文法は、例えば「彼は白い」よりも「彼の肌はオウムのように白い」というように比喩で表現することが多いとのことです。
ロセル島の芸術は、不自然な染料を使わず、どっちつかずの色調とパターンを好みます。ロセル島の人々は特別な視覚能力を持っているわけではありませんが、他の言語とは異なる色の表し方が世界の認識に大きな影響を与えている可能性があります。
◆証拠を要求する言語:マツェ語
ペルーのヌエボ・サン・フアに住むマツェの人々は、話している時点の正しい情報のやり取りに注意を払います。例えば何個のリンゴを持っていますかと尋ねられた場合、マツェの人は「かごの中にあったリンゴを最後に見たときは4つあった」と答えます。直接にりんごを見ることができない限り、りんごの個数を答えた人がいくら確信を持っていても「証拠がない」だとか「りんごが盗まれる」という可能性もあるので、「りんごの個数が正確ではない」ということが正しいこと、とマツェ語を話す人々には認識されます。
言語学者のデービッド氏はマツェの文法についての論文を発表しており、それによるとマツェの人々は話す内容が正しいか、どれぐらい真実であるか、情報はいつのものかなど証拠を要求します。そういった特性から、マツェ語を話す人々は風説・神話・歴史を示す方法を持っておらず、代わりに「過去に推測された情報」として歴史などを伝えているそうです。
◆「2」を持たない言語:ピダハン語
2005年マンチェスター大学のダニエル氏はアマゾンに暮らすピダハンの人々が使うピダハン語について研究を公表しました。ピダハンの人々は、「いくつか」や「少ない」といった数・色彩語・完了形を使わず話し、量を表現する場合は、何かが「大きい」や「小さい」などと表現します。また、ピダハンの人々は芸術的な伝統を持ちません。
言語学者のエヴァレット氏は、いくつかの電池のバッテリーの並びをピダハンの人に見せ、バッテリーの並びを再現してもらうという(PDF注意)実験を行っています。結果は、2・3のバッテリーの並びは再現できましたが、それ以上の数のバッテリーの並びを再現することができず、数をかぞえることができないことが判明しました。数をかぞえることがないのは、それがピダハンの人々が生活していく上で必要のない行為であったためと考えられます。なお、状況は変わりつつあり、現在のピダハンの子どもたちはポルトガル語や数の数え方を学んでいるそうです。
http://news.livedoor.com/article/detail/10153440/
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